こころ
2017年9月19日
子どもたちを暴力・暴言から守るために、大人がすべき事とは 「暴力・暴言」への対処法(1)
■暴力・暴言ゼロのために、大人がすべきこと
(※写真は少年少女サッカーのイメージです)
JFAでは、2015年からウェルフェアオフィサーを設置しています。ウエルフェア(Welfare)とは、幸福、快適な生活、福利などの意味で、サッカー先進国であるイングランドサッカー協会でも採用されています。
現在、全国で80人ほどがウェルフェアオフィサーに任命されています。ウェルフェアオフィサーは、暴力予防の教育、リスペクトやフェアプレーの啓発や促進、JFA暴力等根絶相談窓口へ通報があった際の事実確認調査、被通報者に処分が下される場合の懲罰を下す機関である規律委員会への橋渡しなどを行っています。
また、大きな大会にはマッチ・ウェルフェアオフィサーを設置して、暴力根絶の問題に取り組むという意思表示をするとともに、出場チームや来場者にもウェルフェアオフィサーの趣旨を伝え、暴力根絶の意識を共有しています。
試合中に指導者から選手への暴言はもちろんのこと、観客から審判、選手などへの暴言などがあった場合にも、ウェルフェアオフィサーがその指導に当たります。また、静岡県サッカー協会では昨年から、クラブごとにウェルフェアオフィサーを設置するべく、研修を始めています。
また、JFAではウェルフェアオフィサー認定研修会を実施しています。これは都道府県サッカー協会、地域サッカー協会、各種連盟のウェルフェアオフィサーへリスペクトやフェアプレーの考え方、ウェルフェアオフィサーの役割について説明をしたり、参加者がグループディスカッションを通じて課題や問題の共有、先進事例を基にした解決方法を模索する場となっています。
暴力や暴言を見たり、聞いたりしたら、親としてまずはクラブに相談して当事者と話をし、現状を理解した上で、解決に努めることが大事だと感じます。そのためには、常日頃からコーチと対話ができる状態を作っておくことが大切です。
また、子どもが練習や試合に「今日は行きたくない」と言い出したら要注意。チームの中で苦しい思いをしているなら、サッカーが嫌いになる前に、チームを辞めることもポジティブな判断です。
子どもを守れるのは大人であり、親のみなさんです。
「監督・コーチに言いづらい」「コーチの暴言を親から指摘したら、自分の子どもが試合に出られなくなるかもしれない」などと考えている場合ではありません。子どもが傷ついたり、「何か」があってからでは遅いのです。コーチの暴言が気になっている他の保護者と一緒に行動を起こすなど、勇気を出して立ち向かいましょう。
それでも改善しない時は、JFA暴力等根絶相談窓口へ相談することも選択肢の一つです。
公益財団法人 日本サッカー協会
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