考える力
2018年6月12日
失敗してもOK! まずはやってみて、元から持っている考える力を「使えるようにする」ことが成長の一歩となる
サカイクキャンプは2泊3日または、3泊4日。たったこれだけの日数なので、迎えに行ったら子どもが劇的に変わっていた、ということはないでしょう。
ですが、親元を離れて、自分で決めて行動できる回数、時間を数多く持つことで「自分で考えて行動すること」のきっかけはつかむことができます。そんなサカイクキャンプの魅力を、高峯ヘッドコーチに聞きました。
(取材・文:前田陽子)
■まずはやってみること。その経験が子どもの力になる
みなさんは2020年には大学入試制度が変わることはご存知ですか? 学力を問うこれまでの勉強に加え、思考力や判断力、主体性をもって様々な人と協働する力が試されます。その際に必要なのは「考える力」。あなたのお子さんは自分で考えて、判断して、まわりの人と共に行動することができていますか? サカイクではサッカーを通じてこれらの力が養われることを確信しています。
「サカイクキャンプの目的はサッカーを通じて、考える力を身につけること」と高峯コーチ。では、考えるとはどういうことでしょう。サッカーでは、シュートを打つ為に相手選手や味方選手の位置、彼らの動き方やスピードなどの特徴を理解した上で、最善と思われるところにパスを出したり、パスを受けられたりする場所へ移動すること、或いはゴールを守る為に適切なポジションにいる事が必要不可欠です。その時、頭の中はフル回転。パスの出し手や受けてはもちろん、ボールに関わらないところでも、相手選手を惑わすためにはどう動くのがいいのか、ゴールを守るにはどこに立てばよいのかなど瞬時に自分で考えて動かなければいけません。
考える力を身に付ける為に必要なのは、自分で考えて行動をしたという経験値です。サカイクキャンプではそんな経験をたくさんすることができます。
「キャンプ中はピッチ内でもピッチの外でも子どもたちが自分で考え、考えたことを実行してもらいます。ですから、子どもたちへの声掛けは基本的に『どうする?』『どうしたらいいと思う?』です。コーチたちが答えを教えることはありません。子どもの意見を尊重するので、失敗することはとても多いです。けれど、それがいいんです。成功からより、失敗から学ぶことは多いと、自分の経験から実感しています。まずはやってみることが一番大事なんです」
■ライフスキルを導入。さらに人を育てるキャンプに進化中
昨年の春からサカイクキャンプでは、慶応義塾大学の東海林祐子准教授の監修のもと"ライフスキル"を伸ばす取り組みをしています。
ライフスキルとは『日常生活に生じるさまざまな問題や要求に対して、より建設的かつ効果的に対処するために必要な能力』と、世界保健機関(WHO)で定義されています。
「サカイクキャンプでは子どもたちのライフスキルを伸ばすべく、考える力、リーダーシップ、感謝の心、チャレンジ、コミュニケーションの5つを指導コンセプトとして取り組んでいます」と高峯コーチ。
キャンプの初日と最終日にアンケートを取ると、どの項目も最終日に数値が伸びています。これは子どもたちが成長を実感した証拠。
(感謝の心、コミュニケーション、リーダーシップの項目でも伸びが確認されました)
キャンプ後の保護者アンケートでも、「チームメイトの意見できなかったけれど、サカイクキャンプを体験してから自信をもって発言できるようになった」「チームメイトにポジティブな言葉をかけるようになった」との感想が書かれていました。