健康と食育
傷口は消毒液ではなく水で流すが正解!? 子どもがけがしたときに使える対処法を伝授
公開:2017年4月 4日 更新:2021年1月27日
子どもたちのサッカーに付きもののケガについて、その対処や治療法、受け止め方やリハビリなど、どう向き合ったら良いかをお伝えしていくこの企画。
前回は、少年サッカーの現場で起こりやすい打撲をしたときの対処法をお伝えしました。今回は、擦り傷を負った際の傷口の洗い方や、外傷を起こした際に有効な「RICE処置」の方法をお教えします。
前回に引きつづき、株式会社国際スポーツ医科学研究所代表取締役でJASA公認アスレティックトレーナーを務める理学療法士の金成仙太郎さんに話を聞きました。(取材・文 大塚一樹)
イラスト:アカハナドラゴン
■出血に消毒液は古い常識? 傷口を流すのは水が正解
太ももを強く打ったのなら、打撲の可能性があります。ケガをした子どもが倒れ込んでいたら、「大げさに転んでいるだけ」と思わずに、ケガの様子をチェックします。
初めにチェックするのは「出血しているか?」。これは目で見てわかりますよね。
「もし出血していれば、傷口を水で洗い流すことを優先します。これは、感染症を予防するためです」
金成さんによれば、出血している外傷へは「水洗い」が基本なのだそうです。ついつい消毒液を取り出してしまいそうになりますが、消毒液は、創口を治癒させるために必要な細胞も殺菌してしまうため、水で流したほうが治りが早いということです。
「我々トレーナーは、汚れやゴミを取り除くために創口を水で洗い流し、乾燥しないように、すぐにワセリンなどを塗ってガーゼをします。最近よく目にする「かさぶたを作らない」タイプの湿潤療法用の絆創膏がありますが、このタイプの絆創膏を貼るのも、治りが早いのでとてもいいです。少しずつですが常識になりつつあるのかと思います。
しかし、注意したいのが、創口が化膿してしまったり、創口周辺が熱をもったり、原因不明の発熱をしたりした場合はすぐに医療機関を受診するようにしてください」
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取材・文:大塚一樹