親子でチャレンジ
2014年1月28日
綱渡りみたいなニュースポーツ スラックラインで体幹を強化!
「スラックラインは競技にはいくつかのカテゴリがありますが、ストイックに追求すると言うより楽しみながら跳んだりはねたりするのが一番です」
友だちが海外から持ち込んだ一本のスラックライン(ライン自体の名前でもあります)をきっかけに、日本でスラックラインを普及する活動に携わることになった我妻さんは、様々なスポーツイベントでスラックラインのエキシビジョン、簡易教室を行うこともあるそうです。
「子どもたちは『何をやっているんだろう?』と興味を持って集まってきますね。立つだけでも意外に難しいのですが、子どもはどんどんチャレンジしますよ」
いきなり5センチの幅のラインに立つのは確かに難しそうですが、想像ばかりしていても仕方ありません。早速外に出て教えてもらいましょう。
■立つだけでも筋肉がプルプル震える! 体幹を鍛えるスラックライン
「これが基本の姿勢です」
我妻さんはそう言うと、ラインをまたいで片足を持ち上げました。
ステップ1 ラインに片足で立ってみる
ラインに足を乗せたら両腕をあげてバランスをキープ。我妻さんによれば、この腕がバランスをとる大きなポイントになるそうです。
「綱渡りのようにバランスをとるとなると、足で踏ん張ると思っている人も多いかもしれませんが、上半身でうまくバランスをとり、身体の軸がぶれないようにします」
サッカーでも上半身をうまく使う、手をうまく使うことでバランスをとったり、より大きなパワーを生み出すことができるのは、多くのトップ選手が実証済みの事実です。軸をしっかりキープできないと、すぐに足がプルプルしてきてラインから脱落してしまいます。まずは両方の足で10秒キープを目指しましょう。
ステップ2 スラックラインの上を歩いてみる
次の段階では、まさに綱渡りのようにラインの上を歩きます。このときにスピードに任せて走って渡ろうとする人がいるそうですが、それでは体幹の使い方やバランス感覚は身につきません。ステップ1でやったように片足ずつ足を入れ替えるようなつもりで一歩ずつゆっくり進みます。
意識するのはやはり腕。手をうまく使ってバランスをとります。
これができるようになったら今度は後ろ向きに進んでみましょう。ラインの端まで進んで、今度は後ろ向きに戻る。落ちずに何度も往復できるようになる頃には上半身でバランスをとる方法が身についてきます。
■場所を選ばないスラックラックも登場! 広がるスラックライン
今日ご紹介する基本中の基本はここまでです。競技になると身体を低くかがめるダウン系、ラインのしなりをうまく使ってはねるバウンス系、はねた空中で横回転をするスピン系、縦回転をする大技フリップ系などの技があるのですが、スラックラインの上を歩くだけでもいろいろな筋肉や神経が刺激されます。激しい運動ではありませんから、負荷をかけすぎずにゆっくり体幹が鍛えられる子どもたちのトレーニングに最適なアクティビティと言えるでしょう。
次回は、もう少し難易度の上がった応用編と、我妻さんがサッカーのために考えてくれた体幹を使ってサッカーをプレーするためのエクササイズを紹介します。
ちなみに、スラックラインはイベントやスポーツジムなどで体験できるほか、器具があれば公園やグラウンドでも楽しめます。
木やしっかりとした支柱に固定して、ラチェットと呼ばれる器具を装着すれば、どこでもスラックラインが楽しめるのです。支柱がないスペースでは、スラックラックという支柱がセットになった器具もあり、平均台を置くような感覚でスラックラインを行うことができます。これらの器具の組み合わせで、ここ数年、遊具としての普及も進んでいるそうです。
詳細はスラックラインメーカーの「GIBBON」などでご確認ください。
■教えてくれた人
我妻吉信 ライダーネーム:Az-can
ギボンスラックライン・プロライダー
第1回日本オープンスラックラインチャンピオンシップ優勝など、スラックライン草創期から活躍するライダー。2010ワールドチャンピオンシップ6位、ギボンワールドカップ ツアー 総合7位。