親子でチャレンジ
2014年9月 3日
お父さんレフェリー必見!あなたの笛には子どもを変える力がある
ブラジルワールドカップの開幕戦で笛を吹いた日本人レフェリーの西村雄一さん。彼らのようなプロフェッショナルレフェリーが笛を吹く代表戦やJリーグの試合と違い、少年サッカーの現場では、チームのコーチや所属する選手のお父さんがレフェリー(審判)をします。お父さんに限らず、お母さんが笛を吹くことも珍しくありません。サカイク読者のなかにも、子どもの試合で笛を吹いた経験のある人は少なくないはず。その時、あなたはどのようなレフェリングを行いましたか? もしかすると、あなたの吹いた笛が子どものプレーを変えるきっかけになるかもしれません。
取材・文/石井紘人(@FBRJ_JP)
■レフェリーとしてのプライドを持とう
故意に相手を引っ張ったり、押さえつけたりする反則をホールディングと言います。このホールディングをした子どもの将来も考えなければいけません。
日本サッカー協会(JFA)審判部委員長である上川徹さんはDVD『レフェリング』内のインタビューで、その点を指摘します。
「ファウルをしてしまって、それが見逃されたとします。その時は、そのファウルがチームに利益をもたらすかもしれませんが、それを一回覚えてしまうと、人間、楽な方を選んでしまいます。抜かれてもホールディングで止めればいいと。ただ、そういったファウルは選手の上達を遅らせてしまう」
ホールディングという行為を選択した選手には、「それはファウルだ」と教えなければいけません。試合の流れの中で、JFAプロフェショナルレフェリーである家本政明さんのように「いまのはファウルになるよ」と声掛けするのもよいかもしれません。
育成年代の審判員は、選手たちの悪癖を直すという大きな使命を背負っていると思います。
しかし、そういったプライドを感じない審判員も中にはいます。
センターサークル付近をうろうろするだけで、まったく走ろうとしない人も見かけます。キーパーチャージをとったり、オフサイドポジションに選手がいるだけでオフサイドをとるなど、過去のルールで判定する人もいます。また、コミュニケーションをとろうとする選手に、高圧的な物言いをする人も見かけます。それは選手に対するリスペクトを欠いた行為です。
上川さんも「試合時間ギリギリにきて、アップもせずに笛を吹く。そうではなく、アップもして、ピッチに大きな石があればどかす。そういったことをするのが大事なのではないでしょうか」と指摘していました。