親子でチャレンジ

2016年2月29日

試合後にプレーの話は禁止!スポーツ大国アメリカが実践する"24時間ルール"とは

わが子が手を抜いてダラダラと練習をしている。試合でミスを連発した。勝負のかかった重要な場面でベンチに下げられた。
 
私は、自分の子どもが試合で活躍する姿を見ることほど楽しいことはないと思っていますが、逆にふがいない姿を見ると、イライラがつのり、ブチ切れ寸前になります。その怒りやイライラは、我が子へであったり、コーチに対してであったりします。時には、他の親の一言までもが気になってしまいます。
 
自分の子どもが、持っている力を出さないままに負けた試合の後、会場や帰り道で、子どもに厳しく注意をしたくなります。実際にきつい口調で話をしたことも。後になって言い過ぎたと思っても、その場では感情をコントロールすることができませんでした。これは私が経験してきたことですが、似たような気持ちを味わっている親は少なくないのではないでしょうか。
 
そのようなときのために、米国の子どものスポーツには「24時間ルール」というものがあります。(取材・文 谷口輝世子
 
 

■試合終了から丸1日は試合の内容については話さないと決める!

このルールは、試合終了から24時間は試合の内容について話し合わないというものです。
 
親子間で、試合終了から丸1日は、試合のことについては話をしないと決めます。子どもの試合に付き添っていても、帰りの電車や車内では試合のことは話題にしません。
 
試合直後にチームメートが見ている前で、親からプレーについて叱られるのは子どもにとって決して気持ちのよいことではありません。他の人の目があるからと、試合会場では怒りを抑えても、帰りの自家用車内という密室で、試合の内容について子どもに罵るような激しい口調で注意してしまうことがあります。こういったことも事前に丸1日は試合について話をしないと決めておくことで、最悪な状況に陥ることを避けることができます。
 
親がコーチ補助をしているケースや親の付き添いが求められるチームでは、家族揃って週末の時間を子どものスポーツに費やしているかもしれません。家族揃って、子どもがスポーツすることを楽しめることはすばらしいことだと思います。
 
しかし、試合が終わった後の夕食時の話題が、負けた試合やミスをしてしまった試合についてだったら、親も子も息苦しいのではないでしょうか。
 
子どもたちは、試合が終わって帰宅したら、他の友達と遊ぶこともあるでしょうし、風呂に入ったり、宿題をしたり、明日の学校の用意をしたりと、サッカー選手ではない子どもとしての生活があります。
 

■子どもの試合を一時的に棚上げするメリット

親のほうも、家事や仕事に忙しいのです。慌ただしい日常生活を送り、一晩寝て朝になると、子どもたちを学校に送り出し、仕事や家事に取り掛からなくてはいけません。
 
子どもの試合を一時的に棚上げし、日常生活をしているうちに、試合中や試合直後に感じたムカつき、イライラも少しは落ち着いてきます。
 
どうしても子どもに注意したいことがあれば 24時間経過してから。それでもネチネチと言いたくなるかもしれませんが、試合直後の怒りは引いているはずです。
 
米国のこの24時間ルールは、もともとは、親とコーチとの間で話し合うときのルールとして作られたもののようです。米国に住む私は、近所の公立高校が、全運動部を対象にこのルールを適用していることで初めて知りました。調べてみると多くの学校運動部や、学校外の子どものスポーツの場でこのルールが使われていることが分かりました。
 
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