親子でチャレンジ
2016年4月26日
家族行事よりも子どものサッカーの試合を優先するデメリットとは
サッカーなどのスポーツを子どもが始めると、親も忙しくなります。アメリカ合衆国は安全のために、大人が子どもたちに付き添うという意識が浸透しているため、小学生の子どもだけで練習用のグラウンドや試合会場まで移動することは多くありません。また、車社会でもあり、子どもだけで公共交通期間を使って移動できない地域が多く、親が練習や試合のたびに子どもを車に乗せてグラウンドまで送迎するのが一般的です。そのうえにチーム運営や指導に携わっている人も多く、送迎するのと同時に練習や試合の指導に参加しています。(取材・文 スポーツライター・谷口輝世子)
■チームの親同士でルールを決め、信頼関係を育もう
家庭のなかで、兄弟や姉妹でスポーツ活動をするとなると、親はとても忙しくなります。仕事や家事の都合をやりくりしても、別の場所で、同じ時間帯に行われる練習に2人、3人の子どもを送迎することは物理的にできません。
そこで、アメリカ人の親たちは子どもたちのスケジュールの確認から始めます。家庭にスポーツをする子どもがひとり以上いる場合は、子どもごとに色分けするなどして、練習時間、試合時間、会場などを紙のカレンダーやオンラインカレンダー、アプリなどに記入していきます。
そして、誰が送迎責任者になるのかも決めていきます。父親が送迎する日、母親が担当する日、どちらの都合もつかないときには近くの祖父母や親戚に頼んだり、チームメイトの親にお願いしなければいけません。
チームメイトの親に送迎をお願いするときには、簡単なものでもお互いにルールを決めることで信頼関係を築くことができます。自動車で送迎する場合は、子ども全員がシートベルトを着用できる車であること、子どもたちにも車内で席を移動したり、ふざけたりしないルールを設定し、子どもたちに守ってもらう必要があります。
付き添いや送迎が求められるアメリカの親たちに人気があるのが、スポーツチーム用のスケジュールマネジメントソフトウェアです。子どもの所属するチームの運営管理者がスケジュールをオンラインで作り、共有アプリで親や子どもたちも閲覧できるようにします。アプリはスケジュールだけでなく、地図で試合会場への道のりを確認できる機能などがついています。送迎を依頼する祖父母やチームメイトの親にもアプリで情報を共有することで時間や場所の勘違いを防ぐことができます。悪天候による試合や練習の中止の伝達も、アメリカではウェブサイトやSNS、アプリで行うようになってきていますので、空模様が怪しい場合には指定のウェブサイトやSNSで確認してから出かけます。
■子どものスポーツを優先することで、重圧を与えてしまう可能性
もし、子どもの他の行事と大事な試合が重なった場合には、どうしたらいいのか。親子でよく話し合い、その都度、優先順位を考えて、どちらに参加するかを決めなければいけません。例えば、家族の行事と練習や試合が重なったとき、いつもスポーツ優先しているのなら、少しバランスをとったほうがよいかもしれません。子どもたちは家族の行事よりも自分のスポーツのほうが、家族としても優先順位が高いと受け取ります。それは子どもにとって、重圧につながることもありますし、スポーツ以外の事柄を軽視することにつながることもあります。
家庭の中に子どもが複数いる場合は、兄弟姉妹のアンバランスが家庭不和を引き起こす危険もあります。スポーツをしている子どものスケジュールがいつも優先される。スポーツをしている子どものほうがお金をかけてもらっている。強いチームに所属している子どものほうに親の関心が偏っているなどです。カレンダーと家計簿を見て、家庭として、ひとりの子どものスポーツに偏っていないかを考えてみる機会もあるとよいかもしれません。
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