親子でチャレンジ
2016年5月24日
子どもの背中を押すようなサポートをしてほしい!日本一の街クラブが語る、子どもを伸ばす"理想の親"像とは
昨年度の全日本少年サッカー大会で、街クラブながら並み居るJクラブを破り、初の日本一に輝いた、レジスタFC(埼玉県)。“日本一の街クラブ”は、親と子どもの関わりかたについて、どのような考えを持っているのでしょうか? 6年生の監督を務める中城勉さんに話を訊きました。(取材・文 鈴木智之)
■カバンをみると親が準備しているか子ども自身が準備しているかわかる
子どもをサッカークラブに通わせる親の思いはさまざまです。「サッカーがうまくなってほしい」という思いもあれば「友達ができるように」「運動をさせたくて」といった考えもあります。レジスタFCの指導方針のひとつに「強く、たくましく」というものがありますが、中城監督は「多くの親は自分の子どもが強く、たくましく育ってほしいと思っています」と語ります。
「われわれも当然、子どもたちには強くたくましくなってほしいと思って接しています。ただ、いくらクラブでそのような声掛けや指導をしても、家に帰ったときに、親御さんが子どもに対して手をかけ過ぎると、子どもはどうしても楽なほうに流れていってしまうもの。親御さんには、その線引きをしてほしいと思っています」
サッカーの場で、コーチが子どもと関わるのは2時間程度。それ以外は、家庭で親と一緒に過ごします。親が家庭で子どもに対する関わりかたは、グラウンドでのそれ以上に大きな影響を持ちます。
「たとえば、サッカーの道具を自分で準備することにしてもそうです。我々としては、子どもたちが自立するようにと思って接していますが、親が子どものサッカーの道具を全部準備してあげると、子どもは自分で用意するようにはなりませんよね。合宿にで子どもたちのカバンを見ると、この家は親が準備しているな、この家は子どもが自分で準備しているなというのが大体わかります」
そこで中城監督は、自分で準備をしてきた子に対して「自分でできるんだ」と声をかけるそうです。そうすることで、褒められた子は次からも自分で準備をするようになり、他の子どもたちも“用具の準備は自分でするもの”と理解するきっかけになるそうです。
「われわれが接しているのは小学生ですから、一度言っただけではわからない、理解できないこともありますよね。そのためにはサッカーの時間を通して、言い続けないといけない。荷物の準備にしても、合宿に行って最初は自分でできなくても、回数を重ねるうちにできるようになります。そこで子どもに『できてるね』と言うと、その一言で子どもは欲が出たり、向上心が出ます。そのようにして、積み重ねの中で得られるもの、達成できるものがあると思っています」
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