親子でチャレンジ

2016年8月 1日

サッカーばかりやらせても、うまくなるとはかぎらない!強豪サッカーチームが夏休みにチーム活動をしない理由とは

 

■今年の夏休みでうまくなることが、達成すべき目的ではない

今、目に見えている“サッカーがうまい子ども”が、必ずしもサッカーが大好きなわけではない。うまくない子どものなかにも急激に成長する子どもがいる。それが小島監督の結論だと言います。
 
「コーチの多くは、うまい子どもはサッカーが大好きだと思いがちですが、必ずしもそうではないと思います。うまい子どもでも、夏休みの間に自由にさせるとほとんどボールに触っていない、ということがあるのです。そういう気づきが、私自身にコーチとしての成長を与えてくれました。今、FC東京U-18に所属する鈴木喜丈という選手は関前SCの出身で、今年になってFC東京U-23の選手としてJ3のプロの舞台でプレーしています。彼が子どものときはまさかプロのレベルでプレーする選手になると思ってもみませんでした。でも、彼はサッカーが大好きでした。だから、たとえ今はうまくなくても、サッカーが大好きで、彼がつねに一生懸命であるならば、2年後、3年後、その先に向かって大きく成長する可能性があります。コーチはそういう長い視野を持ち、子どもの可能性を信じて寄り添うことが大事なのだと思います」
 
関前SCに所属する子どもたちは、夏休みなどの長い休みの間は、散り散りになって自由な時間を過ごしながらも、それぞれが様々な体験を重ね、そして9月になるとまた同じグラウンドに戻ってきます。チームの活動から離れていた子どもたちは、小島監督の目には、みんなが一回りたくましくなって映るそうです。
 
なお、関前SCは武蔵野市の大会で、長年、クラブチームの横河武蔵野FCと優勝を争う、町クラブの強豪として君臨し続けています。小島監督はこれまでU-12ナショナルトレセン、東京トレセン、東京女子トレセンに関わる子どもをたくさん輩出してきました。そしてほぼ毎年、中学入学と同時にFC東京ジュニアユースや横河武蔵野FCジュニアユースなどに巣立っていく子どもがいます。年間の三分の一にあたる、夏休みや冬休みなどの長期の休みの間はできる限りチームの活動をしない、その方針を徹底しながら実現してきたのです。
 
 
小島洋邦(こじま・ひろくに)
東京都出身。東京都武蔵野市で活動する関前サッカークラブの監督を務めて25年ほど。教え子に岩渕真奈(日テレベレーザ、なでしこジャパン)、その他現役JリーガーやJクラブアカデミーに所属する選手が多数。東京都少年サッカー連盟渉外部長、武蔵野市サッカー協会会長を歴任。
 

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