親子でチャレンジ
2018年6月28日
日本のグループステージ突破がかかる第3戦の相手、香川選手の同僚ピシュチェクがいるポーランドってどんな国?
ロシアW杯、ついに今夜日本はベスト16入りをかけて、ポーランドと対戦する。引き分け以上でグループステージ突破を自力で決定できるだけに、ここは何としても勝ち点が欲しいところだ。
グループステージの最後に対戦するポーランドは、2度も国家が消滅した経験を持っている。多くの困難にさらされながら、復活してきた。その強さはどこから来るのだろうか。
今回も「親子で学ぶ サッカー世界図鑑【ロシアW杯版】」「サッカー世界図鑑かるた」から、ポーランドのさまざまな歴史と、サッカーについて詳しく教えちゃうよ。(提供:スクワッド、構成・文:砂坂美紀、写真:GettyImages)
【トピック1】
『平原の国』ポーランド。かつてのヨーロッパ最大の国!
ポーランドは2度も世界地図から消滅したが、そのたびに独立を果たした国だ。周辺国の侵略を受けた歴史があり、第2次世界大戦時にはナチス・ドイツによって多くのユダヤ人が虐殺された悲しい過去もある。
ポーランドという国名は『平原の国』の意味を持つ。15~17世紀には、ヨーロッパ最大の領土と人口を誇っていた大国だった。東ヨーロッパの大部分を支配し、豊かな国家を築いていた。古くから人々が住み着き、7,500年前の『世界最古のチーズ』製造の跡も残されている。
しかし、18世紀後半に、隣接するロシア・ドイツ・オーストリアによって3つに分断され、国家が消滅してしまう。そして、第1次世界大戦後の1918年に独立を果たす。その後、第2次世界大戦中にドイツとソ連(現在のロシア)に分割されてしまうが、終戦後にまた独立を果たした。
【トピック2】
悲しい歴史から立ち上がって、成長を続ける
2度の独立を経て、いまは強固な国家づくりを進めているポーランドは、社会主義国家として情勢が不安定な時期もあったけれど、2004年のEU(欧州連合)に加盟以降は大きな成長を遂げている。
近年は、農業、工業、エネルギー産業など好調で経済面が安定。先進国企業の工場を積極的に誘致して、パソコンや自動車の生産も活発なんだ。オレンジ色に輝く琥珀(こはく)やクリスマスのガラス飾りなどの輸出もさかんに行っている。ポーランド産の美しい琥珀は古くから有名で、世界的に人気も高い。
首都ワルシャワには、第二次世界大戦で破壊された中世の街並みが再現されている。今は近代的なビルも立ち並び、繁栄を誇った時代の建物も取りもどして、強固な国家を築いている。
【トピック3】
サッカーの古豪が実力をつけて躍進してきた
ポーランド代表は1974年、1982年のW杯で3位になったことがある、サッカーの古豪だ。1982年大会のベルギー戦でハットトリックを達成したFWズビクニェフ・ボニエクなど、名選手がそろっていた。
その後長い低迷期に入っていたが、最近は経済面で復活するとともにサッカーでも輝きを取り戻してきた。2014年に前回W王者のドイツを初めて破ってサッカーファンを驚かせると、2016年のユーロでベスト8入り。ロシアW杯のヨーロッパ予選も余裕の首位通過を果たした。最近はFIFAランキング10位以内をキープして、今大会でも躍進が期待されていた。
【トピック4】
一流選手ぞろいのポーランドから勝ち点をもぎ取れるか!?
世界的ストライカー、FWロベルト・レバンドフスキを筆頭にタレントがそろうポーランド代表。イングランドで活躍するGKウカシュ・ファフビアンスキや、サイドで攻撃の起点となるMFヤクブ・ブシュワシュチコフスキ、ドイツのドルトムントで香川真司のチームメイトのDFウカシュ・ピシュチェクなど、トップクラブで活躍する一流選手がそろっている。堅守速攻を武器にこのチームを高めてきた。
しかし、なかなか結果がついてこなかったのが今大会のW杯だ。これまで2連敗してグループステージ敗退はすでに決まっている。とはいえFIFAランキング8位という実力が出し切れていないまま、国に帰ることはプライドが許さないだろう。
日本は、現在グループステージ1位だが負ければ敗退となる可能性もあるため、必ず勝ち点をもぎとらなければならない状況だ。ポーランドの鋭いカウンターに注意しつつ、どのように得点していくのか。両チームの攻撃のしかたに注目しながら、テレビの前で応援しよう!