運動能力
2013年10月17日
運動神経を高める② ダイナミックなプレーにつながるトレーニング
前編では、身体を「速く、大きく」動かすための基礎となるトレーニングを紹介して頂きました。今回は相手をかわすときに有効な、速く、大きく動くためのサイドステップと、キックに必要な足の振りのトレーニングを教えてもらいます。
■身体が成長するにつれて大きなパワーとスピードを生み出すために
メッシやC・ロナウドのように、身体全体を使ってダイナミックかつスピーディに動くためのポイント。それが体幹部の使い方です。ステップを踏む時も、足だけではなく、身体全体の軸を移動させることで、大きな動きになります。
<①軸移動サイドステップ>
目印として、ペットボトルを肩幅よりやや外に置き、交互に左右にジャンプしてペットボトルを越えます。ポイントは体の幅よりも外に、『足だけ』を出すのではなく、体の中心(軸)を動かして、左右にステップを踏むこと。体ごと、左右に大きく動くことを意識しましょう。
回数の目安:10~20回*2セット
ヨーロッパのトップレベルでプレーする選手は、しなやかな脚の振りを使って強烈なシュートを生み出します。なぜ彼らはミドルシュートを始めとする、強烈なキックを蹴ることができるのでしょうか? それは「脚の振り方」に関係があります。みぞおちからつま先までを脚として使っているので、より大きなパワーをボールに伝えることができるのです。
<②脚振りキックモーション>
ひざを軽く曲げた状態で股関節を回すイメージで、足を前後に振ります。ポイントは脚を後方にも大きく振ること。そして、上体を起こし(胸を張った状態。前かがみにはならない)、みぞおちから足のつま先までを一本の脚としてイメージすること。何回か動作を繰り返し、脚をスムーズに振ることができるようになったら、軸脚のかかとからつま先まで、脚の振りに合わせて、地面につく場所が変わるように動かすことを意識しましょう。(振り脚が後方にある時はかかと、前方にある時はつま先が地面についた状態で脚を振る)。
回数の目安:20回
①軸移動サイドステップ、②足振りキックモーションともに、体を「大きく、速く」動かすことを意識しましょう。子どもの頃に「大きく、速く」動かすクセをつけておくと、身体が成長するに従ってより大きなパワー、スピードを生み出すことができるようになります。「サッカーの場合、どうしても「小さく(細かく)、速い」動きになりがちですが、ダイナミックな動きこそが、結果として速く動くことにつながるのです」(里コーチ)。
「大きく、速い」動きを身につけて、ダイナミックなプレーができる選手になろう! 里コーチ、ありがとうございました!
<プロフィール>
里大輔(さと・だいすけ)
常葉大学陸上競技部監督/浜松開誠館中・高等学校 サッカー部フィジカルコーチ/静岡聖光学院中・高等学校 ラグビー部 ランニングコーチ。現役時代は陸上競技(100メートル)の選手として、ジュニアオリンピック優勝、全日本中学生大会優勝など、輝かしい成績を残す。独自のトレーニング理論に定評があり、ジュニアからプロまで、競技を問わず様々な選手を指導している。
1