運動能力
2014年7月25日
猫背でもいい!? 子どもにとって自然な姿勢とは
■猫背でもそれが子どもの自然な姿勢ならいい
もっともわかりやすい例は、四足歩行動物です。たとえば猫が餌を探しているときに使うのは、目・鼻・耳などです。餌を見つけた瞬間はまずこれらが反応し、体が反応するのはその後です。これが一番自然に体が動く仕組みで、同じ脊椎動物である人間も、この動きができているときが一番自然に動けるのです。ただ、人間の場合は直立して脊椎の方向と目鼻口の方向が90度になったので、ちょっと複雑です。特にサッカーでは、下にあるボールを一生懸命見ようとすると、緊張し背骨が縮まります。背骨が縮まってしまうと、それは自然な動きではなくなってしまうのです。
上手なのはジダンですね。彼はボールを見るために下を見ますが、背骨は決して縮まっていません。猫のように背中を丸め、自然に見にいっています。
動きとは「こう動きたい」という意図や思考があって初めて発生します。たとえば「姿勢を良くする」。この言葉の意図の中に動きのイメージはあるでしょうか? おそらく、ないと思います。では、「背骨のひとつひとつが勝手に働いてくれるので、椅子の上でバランスを取ってくれます」だと、どうでしょうか。自分のイメージの中に動きが出てきませんか? そうすると「姿勢を良くする」とイメージするよりも柔らかい姿勢になるはずです。
どういう意図で動くのか。その「意図」に動きがあれば、自然な動きが起こります。逆に「意図」に動きがないもの、「姿勢を良くする」などの静的イメージになれば、動きも固くなってしまいます。
高椋浩史
大学時代は筑波大学蹴球部に所属。毎週少年サッカーの指導を行う中で、選手が伸び伸びと自分の力を発揮するためにはどのような指導をすればよいかということを探求し始める。卒業後は一般企業に就職するが、好きなサッカーに関わっていきたいという思いから退社し、筑波大学大学院に入学しサッカーコーチ学を学ぶ。日本サッカー協会の指導者養成コースの補助員を行い、日本のトップコーチ陣の指導を間近で見て学ぶ。2001年から2年間、青年海外協力隊員としてバングラデシュへ赴任。サッカーを指導する。そこで出会った人たち、特に肉体労働をしている人たちの身のこなしの美しさや強さ、精神的なたくましさ、人間的な器の大きさなどに衝撃を受ける。探求をしていたカラダの使い方のお手本のような人達をみて、自分もカラダの使い方を教えることができるようになりたいと思い、様々な身体鍛錬法やメソッドを学んだなかで最後に出会ったのがアレクサンダー・テクニークであった。2006年からはBODYCHANCE教師養成コースで学び始め、2010年に認定を受け教え始める。2012年11月に吉祥寺にアレクサンダー・テクニーク教室FUN!を設立、現在に至る。