運動能力
2015年9月28日
【練習動画つき】「一生懸命走りなさい」はNG!子供の走り方がグッと良くなるアドバイス方法
「子どもの足がなかなか速くならない」
「息子に腕を振れっと言っても一向に腕を振れるようにならない」
子供の走り方が悪いことや足が速くならないことに悩みを抱えている方は多いでしょう。
つい子供に「一生懸命走りなさい」とアドバイスしたくなるものです。
しかし、このアドバイスでは逆に足が遅くなってしまう逆効果さえあります。
アドバイスの仕方1つで子供の走りは大きく変わります。
そこで今回は、ヴァンフォーレ甲府でフィジカルコーチを務める谷真一郎さんに、小さいころから実践すべき足が速くなるトレーニングや声掛けを聞いてきました。 (取材・文 杜乃伍真 写真 サカイク編集部)
■足が速くなる3つのコツ
「みんなは足の速さは生まれつきのものだと思っていないかな? 走りはトレーニングすることで速くなるんだよ」
タニラダーでお馴染みのヴァンフォーレ甲府・谷真一郎コーチの声がピッチ上に響き渡ります。どうしても足が速くなりたい! そんな思いで集まった子どもたちが真剣な眼差しで谷コーチを見つめていました。
今回集まったのは、小学3年生以下の子どもたちばかり。
「3年生以下となるとタニラダートレーニングの理論を理解するのは難しいので、とにかく子どもたちに動いてもらい身体で理解してもらいます。言葉もなるべくイメージしやすいものを使うことが大事です」
そんな子どもたちに谷コーチが伝えたのは次の3つのポイントです。
1.大事なのは『行進の動き』。行進の歩き方をだんだん速くして走りにつなげよう2.100%の力で走ると力んで逆に遅くなるので、70%~90%の力で走ってみよう3.足下はフライパンのように熱いというイメージで。地面に足をつけている時間を短くしよう
この3つのポイントを意識して走ると、子どもたちの走りはみるみる変わっていきました。
■走る練習は、行進からはじめよう
それでは指導の手順を見ていきましょう。
まずは、子どもたちに普段どおりの走リ方をしてもらい、じっと観察する谷コーチ。
「腕はどうなっているかな?」「ちょっと斜めになっていたよね?」「肘が伸びてしまっているよね?」
ここで谷コーチがタニラダーを準備し、こんな提案をしました。
「みんなで行進をしてみよう」
子どもたちが不思議そうな顔をしながら、ラダーの各ブロックを通過するように行進を始めました。
元気よく、腕を振りながら、順番に"行進"をする子どもたち。
「腕はしっかり曲げて、まっすぐに振ろう」
「このときに膝もしっかり曲げて、できるだけ脚を速く回転させよう」
「前かがみにはなってはいけないよ」
そして谷コーチが「だんだん速く行進をしてみよう」というと、子どもたちの行進がスピードアップ。行進のままの綺麗なフォームで、やがて子どもたちは走り出しました。これだけでも足が速くなったような印象を受けるから驚きです。
谷コーチが子どもたちに問いかけます。
「行進の動きの延長に走ることがあるのがわかったかな? 歩く動きと走る動きは別々のものではないんだよ」
子どもたちは納得するように頷いていました。