運動能力
2016年7月 5日
"足腰が弱いせい"ばかりではない!雨のグラウンドでも滑らないターンのコツは"外足"にあった
前回の記事では谷さんに「すべらない急発進のコツ」を教えてもらいました。ポイントは「ひざをロックして、地面反力を得られる、適切な足幅で踏み込むこと」でした。今回はさらに深く掘り下げるとともに、雨の日でも滑らないターンの仕方を身に付けるためのトレーニングを紹介します。(取材・文 鈴木智之 撮影 八木竜馬)
■外足でターンすると滑りにくい
グラウンドがぬかるんだ状態でターンをすると、なぜ滑りやすくなるのでしょうか。それは「バランスを崩しやすくなるから」です。谷さんが次のように説明します。
「ターンをするときにポイントになるのが『内側、外側どちらの足でターンをするか』です。ターンをするときに滑りにくくするためには、進行方向に対して外側の足を、地面に対して強く踏み込みます」
「たとえば左回りでターンをするときに、左足に体重を乗せて回ろうとすると、グラウンドがぬかるんでいる場合、ズルっと滑りやすくなり、軸足に体重がかかってしまいます。内側の足に体重がかかると、地面を押さえる力が弱くなるからです」
すべりやすい内足でのターン
すべりにくい外足でのターン
「前回の記事で、足の拇指球、土踏まず、かかとを通る内側のラインに体重をかけてターンをするようにとお伝えしましたが、ターンしたい方向と同じ足に加重すると、足の外側に体重をかけることになり、滑りやすくなります。そこで、ターンする側と反対の足(外側の足)を使うことで、しっかりと重心をコントロールすることができ、地面を踏み込む力が強まります。その結果、身体が安定した状態でターンができるので、滑りにくくなります。また、ターンをする方向と同じ足(内側の足)に加重すると、足の甲に大きな衝撃がかかるので、サッカー選手に多い第五中足骨を痛めることにもつながります。注意しましょう」
■地面反力を得る感覚をつかむラダートレーニング
ここからはラダーを使い、ターンをする方向とは反対側の足に加重して方向を変える『外足ターン』のトレーニングを紹介します。
やり方
ラダーの前に立ち、右足をラダーの右外側につく。地面反力を得た状態で左足、右足の順で1マス目の中に足を入れる。その流れで左足をマスの左側へ出し、地面を踏み込み地面反力を得て、2マス目に右足、左足の順に入れて、右外側に抜けていく。この動きを4マス分繰り返す。
谷さんからのアドバイス
意識すべきは、マスの外側に踏み込む方の足です。そして、マスの外側に足をつくときは、地面反力を強く得られるように踏み込みましょう。上体を起こして前方に視線を向け、腕振りも忘れずに行いましょう。
では実際に、雨のピッチでもすべらない急発進が身につくトレーニングを紹介します。谷さんは、このステップの重要性を次のように説明します。
「サッカーのプレー中、後ろに下がる、前に出る動きを繰り返すことはよくあります。また、左前方に行こうとした直後に、相手のプレーに応じて右前方に行くというように、瞬時に方向を変えなくてはいけないことがあります。瞬間的に足を踏み替えるときに、滑ってしまうことが多いんです。そこで、ラダーを使ってステップを繰り返し、脳に動きの回路を作っていきます」
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