運動能力
2018年3月12日
0.3秒速くなった!走る姿勢を意識するだけでスピードアップするタニラダーのレッスン(1)
走るスピード、プレーのスピードを上げたい。
サッカーをする人であれば、誰でも思うことではないでしょうか。高校時代は藤枝順心でプレーし、3年時にはキャプテンとして全国優勝を経験。年代別日本代表にも選出され、現在はアメリカのケンタッキー大学でプレーする(取材当時)、黒崎優香選手もそのひとりです。
2017年年末、黒崎選手はスピードアップのため、谷真一郎コーチのもとを訪れました。『タニラダー』でおなじみの谷コーチは直線距離のスピードアップ、素早いステップワーク、ターンの仕方などを指導するプロフェッショナルです。果たして、2時間のトレーニングで黒崎選手のスピードはどのように変わったのでしょうか?2回に渡ってレポートします。(取材・文:鈴木智之)
(ケンタッキー大学でプレーする黒崎優香選手)
■アメリカの選手に負けないスピードを身に付けたい
谷さんは初対面となる黒崎選手と笑顔で挨拶を交わすと、現状と課題についてヒアリングをしていきます。
黒崎選手は「私はボランチでプレーしているのですが、アメリカで試合をするとスピードの差をすごく感じます。相手にスピードでかわされることも多いので、改善したいです」とトレーニングの目的を告げます。
その話を聞いた谷さんはうなずくと「まずは動きを見て、何を変えればいいかを共有し、トレーニングで改善していきましょう」と提案。ウォーミングアップを経て、いまのスピードがどのぐらいなのかを知るために、20メートル走のタイムを計ります。
すると、3.72秒のタイムが出ました。これがトレーニング前の数値です。黒崎選手の走る姿を見た谷さんは、スピードアップに向けて次のようなアドバイスを送ります。
「人間は70~80%の力で走るときが、もっともスムーズに速く動くことができます。言い換えると、速く走ろうとして体に力が入ると遅くなるんですね。それと女子選手に多いのが、腕を斜めに振って、肘を伸ばして走ること。このフォームだと、体幹部が回旋する分、遅くなります」
さらに「これが一番大事なポイントなので、意識してみてください」と言って、デモンストレーションに入ります。それが「肩、ひざ、拇指球が一直線になるように接地すること」です。
■速くなるための正しい姿勢を作る方法
「ひざが曲がっていたり、肩が前に出たり、後ろに下がりすぎたりすると、姿勢が前傾/後傾になってスピードが出ません。前傾姿勢が強くなると、視野も狭くなります。ひざが曲がりすぎるとクッションの働きをし、地面からの勢いを吸収してしまってスピードが落ちます。地面から得た力をスピードにつなげるためにも、肩、ひざ、拇指球が同じラインになるように接地することが大切です」
その話を聞いた黒崎選手は「初めて聞きました。すごく参考になります」と話し、タニラダーを使って、スピードアップに適した姿勢、走りのフォームを身につけるためにトレーニングをしていきます。