健康と食育
2011年7月23日
食中毒を防ぐ3カ条
■食中毒は、つけない、殺す、増やさない!
そろそろ夏休み。朝、夜に加え、昼食も家で・・・となるから、食事の支度が大変!?という家庭も多いのでは。夏の食卓で最も気をつけたい食中毒について、管理栄養士の今井愛先生にお話しをうかがいました。
■腸炎ビブリオと黄色ブドウ球菌とは・・・?
食中毒にもいろいろな種類がありますが、家庭内で起きる食中毒といえば、腸炎ビブリオと黄色ブドウ球菌、病原性大腸菌などによる下痢やおう吐が大半を占めると思います。
腸炎ビブリオはほとんどの場合、魚が原因です。この細菌は海水に強い=塩に強い菌なので、魚を調理したまな板でそのまま生野菜を切ったり、きゅうりの塩もみを作ったりすれば、その野菜などに細菌が付着します。細菌が付いた野菜を食べると、1~2日で下痢を起こし、その後2~3日で下痢が収まり、1週間ほどで回復します。魚につく細菌のほとんどが真水に弱いので、魚は真水の流水でよく洗ってから調理することを徹底しましょう。
黄色ブドウ球菌は、普段から手や髪、唾液、鼻の中などにいます。病原性大腸菌は便にいます。手をしっかりと洗っていれば大丈夫ですが、手を洗わずに食品を手づかみで食べれば、細菌がそのまま体内に取り込まれてしまいます。流水でよく洗えば、60000あった細菌は1000まで減らすことができます。石けんをよく泡立てて手を洗うことで、さらに細菌を減らすことができます。食事の前によ~く手を洗いましょう。
■まな板や包丁も洗いましょう
手を洗うと同時に大切なのが、まな板や包丁などの調理用具もよく洗うこと。朝昼食時は熱湯で消毒し、夜は、漂白剤などに漬けて殺菌します。夕食が終わったら、シンクをきれいにしておくことも忘れずに。
シンクに水分が残っていると、そこから雑菌が増殖してしまいます。また、ふきんや手拭タオルは午前と午後に取り替えること。夏休みは子どもも家で、三食・食事をしますから、ふきんや手拭タオルは大活躍しています。
タオルホルダーに掛けて、乾いたからといって、そのまま使用しないこと。家の中では菌は増える一方なので、必ず外に干して紫外線を当てましょう。紫外線の力で細菌を減らすことができます。
菌は5℃以上60℃未満の環境の中で、増えていきます。食品にいる菌は、5℃以上60度未満で増えていくので、食品は冷蔵庫に保管しましょう。そして、冷蔵庫は常に、10℃以下を保つようにします。扉の開け閉めの回数を、極力減らします。すぐに食べないものは、冷凍庫に保管するなど、上手に冷蔵庫と冷凍庫を使い分けましょう。