健康と食育
2011年12月 9日
股関節の痛み『グロインペイン症候群』の予防ストレッチ【動画付き】
選手にとってケガ予防やパフォーマンス向上に欠かせないストレッチ。特に小学生年代のケガは「若いから大丈夫」「そのうち治る」と放置しがちですが、実はこの年代のケガは、将来まで引きずる可能性があり早いうちからのケアが必要です。
そこで今回は、最近の子どもに多い症例に合わせた予防ストレッチを、修徳学園女子サッカー部などあらゆるアスリートのサポートを行なう、まつなが鍼灸整骨院さんで教えてもらいました。動画付きですので、ぜひマネしてみてください。
■第一回目は『グロインペイン症候群』の予防ストレッチ
最近の子どもたちに増えている鼠蹊部(そけいぶ:大腿の付け根にある溝の内側あたり)周辺の痛み、いわゆる『グロインペイン症候群』。ボールを蹴る動作を反復した結果、股関節周りに負担がかかることで柔軟性と筋力が低下し、発症すると考えられています。慢性的な腰痛などがあるとバランスを崩した状態で走ったりボールを蹴るため、より発症しやすくなります。
グロインペイン症候群はその問題を抱えた本人たちの意識が高くないと、なかなか治すことができない症状ですが、原因が分かれば治療もしやすいですし、ストレッチで股関節の柔軟性を保つことで予防することも可能です。
【グロインペイン症候群の豆知識】
・予防:自宅でストレッチ、アイシング
・対策:日頃から股関節はもちろん、身体全身の柔軟性を保つ
・治療:医療機関での治療、電気治療、スポーツマッサージ、鍼灸
・注意:股関節付近の痛みで恥骨下枝疲労骨折やスポーツヘルニア、腸骨剥離骨折との鑑別が必要
・この症状に悩まされた有名選手:中田英寿、中村俊輔、ジネディーヌ・ジダン、ティエリ・アンリなど
【基本方法】
・2人1組
・一つのストレッチは30秒前後
・呼吸を止めずに行います(おしゃべりをすると自然と呼吸をしながら行えます)
・強さはイタ気持ちいい(少し痛いけれど、気持ちがいい程度)がベスト
※ストレッチは急に行うと、症状が悪化したり、筋肉を傷めたりします。行う場合はゆっくりと行い、力を入れすぎないようにしましょう。特に子どもは、身体が柔らかく、想像以上に曲がることもありますが、負荷をかけすぎないように注意をし、無理をさせすぎないようにしましょう。
■【1】内転筋(ないてんきん)のストレッチ
腿の内側の筋肉をストレッチします。
<<ポイント!>>
・身体はまっすぐ
・負荷をかけた際、おしりが浮いてこないように手でしっかりおさえる
・両足で行う
■【2】腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)のストレッチ
膝から腿の外側を通る靭帯をストレッチします。
<<ポイント!>>
・身体はまっすぐ
・負荷をかけた際、おしりが浮いてこないように手でしっかりおさえる
※途中からおさえると痛いので、始めからおさえておくようにしましょう。
・上げた足の膝が曲がらないように注意
・両足で行う
■【3】腸腰筋(ちょうようきん)のストレッチ
股関節からお腹をつなぐ、足の付け根部分の筋肉をストレッチします。
<<ポイント!>>
・身体はまっすぐ
・ベッドのような高い場所で行う
※ベッドがない場合は、お尻の下にタオルや枕を敷くなど高さをつけてあげましょう。
・負荷をかけた際、おしりが浮いてこないように手でしっかりおさえる
・両足で行う
■【4】股関節(こかんせつ)のストレッチ
股関節をほぐし、関節の可動域を確保します。
<<ポイント!>>
・身体はまっすぐ
・曲げる方向は外側、内側両方を行う
・内側に曲げる際、おしりに置いた手と膝に当てた手は筋肉を引き伸ばすイメージで力を入れる
・両足で行う
■【5】梨状筋(りじょうきん)のストレッチ
足の付け根(おしりの筋肉)をストレッチします。坐骨神経痛にも効果があります。
<<ポイント!>>
・身体はまっすぐ
・膝を軸に足を内側に押し込むイメージで負荷をかける
・両足で行う
■【6】ハムストリングのストレッチ
腿の裏側の筋肉をストレッチします。
<<ポイント!>>
・身体はまっすぐ
・上げた足の膝が曲がらないように注意
・上げた足の足首は90°に曲げる
・反対足と腰が浮かないように手でおさえる
・両足で行う
■【7】大腿四頭筋(だいたいしとうきん)のストレッチ
腿の表側の筋肉をストレッチします。
<<ポイント!>>
・身体はまっすぐ
・腿の前がしっかり伸びていることを意識する
・両足で行う
以上。『グロインペイン症候群』を予防するには、とにかく股関節周りの柔軟性確保が大事です。ぜひこれらのストレッチをマスターしましょう。
取材協力//
清和イレブンSC:森海峻くん(前列左)、萩田康太くん(前列右)
松永先生(後列左)、板場先生(後列右)
修徳学園女子サッカー部、同校柔道部トレーナーを務める先生たちが、通常の治療だけではなく、スポーツ障害やケア方法などの豊富な知識を広めるセルフケア教室やストレッチ教室なども行っている。
住所:葛飾区奥戸3‐6‐9 Tel:03-3694-5291
アクセス:JR新小岩駅からバスで10分
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