健康と食育
2012年5月28日
ツネ様も知らない?"攻めの水分補給"でパフォーマンスアップ!
熱中症対策で定着しつつある、運動中の水分補給。ですが、この水分。摂取の仕方によってパフォーマンスが向上したり、低下したりすることもあるんですよ! そんな“攻めの水分補給”についてもっと知るために、スポーツボトルメーカーで知られるサーモス株式会社が開催した水分補給の啓発イベント『5-15℃PROJECT』に参加してきました。イベントには、元日本代表キャプテンの宮本恒靖さんも登場し、いろいろと教えてくれました。
■プレー中の水分は5℃~15℃に!
サーモス株式会社では、科学的実験によりスポーツパフォーマンス向上において、運動中に適しているとされる水温は5℃~15℃であることを突き止めたそうです。夏の暑い日、よく冷えた冷たいドリンクを飲ませてあげたい!と、スポーツボトルにたっぷり氷を入れてあげていませんか? もしかすると、ペットボトルに入れたドリンクをそのまま凍らせるという人も多いかもしれません。確かに冷たくて美味しいのですが、冷えすぎたドリンクはたっぷりと飲むことができません。そのため、プレイ中に失った水分を十分に補給することができず、体は水分不足のままになってしまいます。
「真夏の試合ではピッチサイドに置いてある給水用のボトルが熱くて、飲みにくかったこともありました」と宮本さん。冷たい水同様に、熱い水もたくさん飲むことはできません。さらに温かい水分は体が温まってしまい、汗となって排出される可能性が大きくなります。「チームによっては試合中に何度か、ピッチサイドのボトルを取り替えていました。水分温度の知識があったチームだったのかもしれませんね。僕のチームではボトルを変えることはなかったです(笑)。試合中の水分補給は大変でした。サイドの選手は頻繁に飲めますけど、センターの選手はなかなか…」とセンターバックだった宮本さんらしい発言です。
子どもたちの夏の試合では、給水タイムを取るようになっています。効率よく水分を取れるようにボトルの中身は5℃~15℃になるようにしておきましょう。
また宮本さんは現役時代、1試合で3kg体重が減ることもあったのだそうです。体重が減るのは、体の水分を失っているから。試合前後で体重を計るとどれだけ水分が減ってしまうかがわかります。一度チェックしてみて、どれくらいの水分補給が必要かも把握しておくのもいいでしょう。
【5℃~15℃の水分とは…】
1日冷蔵庫で冷やした水の温度がだいたい5℃。ですから、朝スポーツボトルにドリンクを用意する際には、氷を入れる必要はありません。スポーツボトルは魔法瓶でできていて、保冷性が抜群。5度の水をスポーツボトルに入れて、炎天下に8時間ボトルを出しておいても15度以下にキープできることが実験によって証明されているそうです。水分の温度管理にもスポーツボトルはオススメですよ。
■1日を通じてこまめに水分を補給する
試合中はもちろん、日常生活でも水分不足にならないように気を使いましょう。宮本さんはオーストリア・レッドブル・ザルツブルク在籍中に「1日4リットルの水分を取るように」と言われたそうです。水分は水以外でも、糖分がなければ炭酸水でもOKだったので、積極的に水分は摂取していたそうです。特に水分を失いやすい夏場は、子どもたちにも、朝起きた時、食事の時、就寝前など、1日を通じて意識的に水分を取ることを習慣づけるといいでしょう。
また、日々の生活の中でトイレの回数が減ったり、尿の色が濃くなったり、夜中に喉が渇いたり、脚がつったりしたら水分不足を疑うサイン。水分が十分に取れているのか、日々の生活の中からチェックしましょう。「Jリーグのユースに加入した時に水分補給の大切さを教えられた」と宮本さん。以来、練習時はもちろん、食事などにも気を使うようになったそうです。
さらに「水分補給時には、ナトリウムを取るように心がけていた」とのこと。汗をかくと水分と同時にナトリウムが失われるので、プレー中はナトリウムが配合されたスポーツドリンクや、それを補うための補助食品などを使用するのもいいでしょう。スポーツドリンクは甘いと苦手意識を持つ子どももいますが、糖質はエネルギーを補給する効果もあります。それぞれ用途に応じて飲み分けしましょう。
宮本さんが、「水分補給の重要性は理解し実践していましたが、自分が選手時代には最適な水分温度などの専門知識はあまりありませんでした。代表チームでもやっていなかったのでは?もっと早くに知っておけばよかったですね」と話すように、こうした知識はトップ選手でもあまり知られてはいません。
「喉が乾いたら飲む」、「熱中症にならないために飲む」とついつい受身になりがちな水分補給ですが、この夏は“攻めの水分補給”にチャレンジしてみてはいかがですか?
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