健康と食育
2014年5月 6日
子どもが食べるならどっちを選ぶ? 飲みもの編
コンビニやスーパーなどには子どもたちが好きなお菓子や清涼飲料、カップラーメンなどがズラリと並んでいます。普段子どもが何気なく口にしている食べものは、身体に悪くないと言い切れますか?お父さんお母さんは子どもがなにを食べているのか、気になるはず。前回に引き続き、科学ジャーナリスト渡辺雄二さんの著書『不安食品見極めガイド食べるならどっち!?』の一部をご紹介します。
■乳酸菌飲料ならどっち?
通常の【ヤクルト】の原材料を見てみると、「ぶどう糖果糖液糖、砂糖、脱脂粉乳、香料」とあって、スクラロースは使われていません。ただし、「ヤクルトは甘くて、カロリーが高い」という風評があります。そこで、スクラロースを添加することで、カロリーを半分にしたのでしょう。しかし、「カロリーが高い」といっても、1本(65?)当たり50kcal にすぎません。子ども(6歳?14歳)の1日に必要なエネルギーは、1500 ?2550kcal ですから、実際にはそれほど影響はないのです。それよりもスクラロースの影響の方が心配されます。
【ヤクルト カロリーハーフ1/2】を毎日飲み続けた場合、それは同時にスクラロースも毎日摂取し続けることになります。そのことが体にどんな影響をおよぼすのか? これは誰にもわかりません。人間で調べられていないからです。スクラロースは体にとって何の役にも立たない「異物」ですから、体はそれを外に排除しようとします。おそらく、それは体にとってストレスになると考えられます。試しに【ヤクルト カロリーハーフ1/2】を口にふくんでみたところ、渋いような苦いような変な甘さを感じました。その後、舌がしびれるような感覚を覚え、それは長時間続きました。
【植物性乳酸菌ラブレ】に入っている植物性乳酸菌は、京漬物の「すぐき漬」から発見されたものです。昔から食べられている漬け物ですから、それの乳酸菌についても安全性に問題はほとんどないと考えられます。でも、「自分に合わない」と感じたときは、止めた方がいいでしょう。なお、安定剤のペクチンは、リンゴなどから抽出された多糖類で、問題はありません。
【ジョア プレーン】に使われている乳酸Ca(カルシウム)とビタミンDは、栄養強化剤であり、問題はありません。
■豆乳ならどっち?
「豆乳は体に良い」と思って、子どもに飲ませている方も多いと思います。しかし、豆乳にもいろいろ種類があって、中にはオススメできないものもあります。豆乳といえば、紀文の商品がポピュラーで、【調整豆乳】がもっとも普及しています。ほかに、【進化型 調整豆乳】や【おいしい無調整豆乳】などがあります。実はこれらのうち【進化型 調整豆乳】は、オススメすることができないのです。「進化型」などというと、優れた商品のように感じてしまいますが、その意味はカロリーを抑えているということにすぎないのです。最近、肥満の人が多いので、こうした商品が開発されているわけです。しかし、なぜ低カロリーなのかというと、合成甘味料のアセスルファムK(カリウム)が使われているからなのです。アセスルファムK は、自然界にはまったく存在しない化学合成物質です。そのため、人間が摂取した場合、代謝されることはありません。つまり、消化されることなく、そのまま腸から吸収されて血液中に入り、「異物」となってグルグル巡るのです。そして、腎臓に達します。こうした化学合成物質は、肝臓や腎臓などに対する悪影響が心配されます。実際に、イヌに投与した実験では、肝機能や免疫を低下させる可能性が示されています。
一方、【おいしい無調整豆乳】は、添加物を使っていません。苦手な人が多い豆乳の青臭さもほぼなく、文字通り「おいしい」豆乳に仕上がっています。しかも、タンパク質やミネラル類を豊富にふくみ、栄養的にも優れています。値段も他とほとんど変わりません。なお、【調整豆乳】にふくまれる、カラギナンは、動物実験で発がん促進作用が認められるなど、安全性にやや不安な面があります。
■ゼリー飲料ならどっち?
「朝食代わりにゼリー飲料を」というキャッチフレーズで普及したゼリー飲料ですが、どれもオススメはできません。まず【ウイダーin ゼリー エネルギーイン】の場合、香料のにおいが強すぎます。刺激性のある人工的なにおいで、味にも影響しています。香料は、合成が約130 品目、天然が約600 品目もあって、それらを数品目、あるいは数十品目組み合わせて独特のにおいが作られています。その製法は企業秘密になっています。合成香料の中には毒性の強いものがあります。たとえばサリチル酸メチルは、2% ふくむエサをラットに食べさせた実験で、49週ですべてが死亡しました。ベンズアルデヒドは、マウスに、1日に体重1㎏あたり0.2~0.6gを週5日、2年間投与した実験で、前胃の腫瘍発生率を増加させました。このほかフェノール類、イソチオシアン酸アリル、エーテル類なども毒性があります。しかし、それらが使われていても「香料」としか表示されないのでわかりません。あまり刺激性の強い香料は、人によっては気分が悪くなることもあるので、避けた方が無難です。このほか、ゼリー状にするために使われているゲル化剤の増粘多糖類は、植物や海藻、細菌などから抽出された粘性のある多糖類です。それほど毒性の強いものはありませんが、いくつか安全性に不安のあるものがあります。
しかし、1品目を使った場合は具体名が表示されますが、2品目以上使った場合は、「増粘多糖類」としか表示されないので、何が使われているのかわかりません。
【クラッシュタイプの蒟蒻畑 ライトマスカット味】と【ミニッツメイド 朝リンゴ】には、香料と増粘多糖類のほか、合成甘味料のスクラロースが使われています。
■コーラならどっち?
「コーラは体に悪い」と思っている人が大半だと思いますが、実際その通りなのです。とくに子どもたちにはどれもオススメすることができません。まず、独特の褐色を出すために使われているカラメル色素が問題です。カラメル色素には4種類あって、そのうち2種類には原料にアンモニウム化合物が使われており、そのため副産物として4メチルイミダゾールという化学物質ができます。これは発がん性物質であることが動物実験でわかっているのです。そして、日本で売られているコーラには、4メチルイミダゾールがいずれの商品にもふくまれているのです。さらに、子どもにとっては良くないカフェインがどの商品にもふくまれています。また最近では、【ペプシ ネックス】や【コカ・コーラ ゼロ】などのダイエットタイプが売り出されていますが、安全性の不確かな合成甘味料が使われています。アスパルテーム・L ーフェニルアラニン化合物については、アメリカの複数の研究者によって、脳腫瘍を増加させているという指摘がなされています。さらに、2005年にイタリアで行われた動物実験では、白血病やリンパ腫を起こすという結果で出ています。アセスルファムK(カリウム)は、自然界に存在しない化学合成物質で、イヌを使った実験で、肝機能や免疫力を低下させる可能性が示されています。スクラロースは、有機塩素化合物の一種。ネズミを使った実験で、免疫に悪影響をおよぼす可能性が示されています。
【ペプシ ネックス】には、アスパルテーム・Lーフェニルアラニン化合物とアセスルファムK が、【キリン メッツ コーラ】と【コカ・コーラ ゼロ】には、さらにスクラロースが使われています。子どもに飲ませてはいけない飲み物といえるでしょう。
■飲むヨーグルトならどっち?
【のむヨーグルト プレーン】には、香料などの添加物は使われていません。そのため、変なにおいがなく、自然な甘さの飲むヨーグルトに仕上がっています。なお、デキストリンは、ぶどう糖がいくつも結合したもので、デンプンを分解して作られています。食品に分類されており、その由来からも安全性に問題はありません。【明治ブルガリアのむヨーグルト アロエ】については、「どうして良くないの?」と疑問を感じる人がいるかもしれません。アロエは「胃に良い」と言われているからです。問題は、甘味料のアスパルテームが使われていることです。
ちなみに、【明治ブルガリアのむヨーグルト 果実の贅沢ストロベリー】にも、アスパルテームが使われていて、また強い香料も使われています。【明治ブルガリアのむヨーグルト プレーンLB81】は、お腹の調子を整えるトクホ(特定保健用食品)の許可を得ていて、「許可表示...LB81乳酸菌の働きにより、腸内細菌のバランスを整えて、お腹の調子を良好に保ちます」とあります。とくに便秘気味の人に、効果があるようです。安定剤のペクチンは、りんごやサトウダイコンなどから抽出された多糖類ですので、安全性に問題はありません。香料が使われてい
ますが、においの穏やかなものです。
【プルーンFe1日分の鉄分 のむヨーグルト】には、その名の通り鉄分を補給するためにクエン酸鉄アンモニウムが添加されています。栄養強化剤のひとつなので、問題はないでしょう。ただ、かなり強いにおいの香料が使われていて、それが気になるところです。とても甘ったるい、プルーンのようなそうでないような、そんなにおいです。できたら、使わないでもらいたいものです。
【参考文献】
累計発行部数15万部突破! 子ども、孫をおもう方々から選ばれています。 ファストフード、ポテトチップス、コーラから野菜ジュース、ヨーグルト、調味料まで。普段良く食べられている食品、200商品以上を徹底的に調べました!
どちらを選べば良いのかが一目でわかります!
子どもが大好きなジュースやお菓子、ファストフード、冷凍食品......。
健康のことを考えると、こういった食品は食べさせるべきでないのかもしれません。でも、そんなことばかり考えていたら生活が大変になるのも事実。そこで本書は「チョコ菓子を子どもに食べさせるなら、A社の○○という商品。食べさせてダメなのはB社の○○という商品」というように、『より安全だと思われるは食品はどっちなのか?』ということについて商品に含まれる成分を客観的な分析に基づき紹介します。大切な人の口に入るのだから少しでも健康的なものを、そんなお母さんの声に応えた一冊です。
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