健康と食育

2015年1月 5日

冬の風邪対策は、イオン飲料の摂取と栄養管理がカギ!

■水分補給+ビタミンC、発酵食品

毎日の食事にはそれぞれ意味があって、育ち盛りの子どもたちにとっては毎食の一品一品が身体を作っていくことになります。必要な栄養素を見ていけば、インフルエンザや風邪、困った冬の体調不良に抵抗力のある身体作りも可能になると田地先生は言います。
 
「インフルエンザ、風邪をひきにくい栄養素といえばビタミンCですね。この季節は野菜や果物を意識して多く食べるようにしてください」
 
身体の炎症を抑える効果のあるビタミンCは、体調を崩しかけた時にもそれを補う働きをします。弱った身体にはウィルスが入り込みやすくなるので、ビタミンCの摂取量を多くすることでウィルスが付け込む隙をなくすことができるのです。
 
「野菜や果物には血圧をコントロールするカリウムも含まれています。緑黄色野菜は風邪の予防にいいベータカロテンが豊富なのでとにかく野菜不足にならないように気をつけてほしいです」
 
ビタミンCは水に溶ける性質があるため、摂り過ぎても尿から体外に排出されるそうです。風邪をひいた際にはビタミンCを多く含む補助食品やサプリメントを摂るのも効果的とのこと。同じように抵抗力を高めるのが免疫力を強化する発酵食品。
「ヨーグルトなどの乳製品、納豆などの発酵食品は善玉菌を増やして腸内環境を良くしてくれます。発酵食品は多少のウィルスならやっつけてくれる免疫力を高めてくれるのです」
 

■インフルエンザの流行にも負けない身体作り

今年のインフルエンザは予防接種が効きにくい、受けていてもかかったという報告が多いそうです。田地先生はそんなときこそ、予防接種+栄養管理による体調維持が大切になるといいます。
 
「食事で一番重要なのはバランスです。バランスのいい食事を三食摂るのが理想ですが、なかなかそれができない場合には補助的にこうした栄養素を心がけて補うことが大切です。今回紹介した水分補給とビタミンCを含む野菜や果物、発酵食品を多めに摂るやり方は、強い身体作りに効果的です。多少摂りすぎても問題のない、リスクのない予防策なのでぜひ積極的に普段の食生活、食習慣、練習に取り入れてほしいと思います」
 
風邪に負けない強い身体を作るにはまず子どもたちに必要なものを知ることから。専門的な知識は必要ありませんが、身体のメカニズムや栄養補給の効果的な方法、栄養素の効能などがある程度わかれば、大流行の兆しのあるインフルエンザや冬の体調管理に役立ちます。
 
田地先生に教えてもらったことを生かして、子どもたちが外でサッカーを楽しめる、元気に走り回れる環境作りをアシストしましょう。
 
田地陽一
東京家政大学栄養生理学研究室准教授。筑波大学大学院博士課程医学研究科修了。医学博士。日本栄養・食糧学会参与。専門は栄養学、スポーツ栄養学、運動生理学、分子生物学。東京武道館健康体力相談室でスポーツ相談員を経験。著書に『栄養生化学』(メヂカルフレンド社)、『動く、食べる、休むScience』(アイ・ケイコーポレーション)、『臨床栄養管理ポケット辞典』(建帛社)などがある。
 

 

前へ 1  2

関連記事

関連記事一覧へ