健康と食育

2015年7月15日

痛みや腫れが引いても油断しない!応急処置で子どもの足を守ろう

■ケガの予防、再発防止のためにわたしたちにできること

子どもたちの慢性的な「痛み」に関して言えば、ひざ下(成長痛;オスグッド病)が真っ先に思いつきます。サッカーに限らず、ひざをサポーターで保護している小学生を見ることも珍しくありません。
 
「ひざのテーピングはとくに、傷害予防、再発防止の意味合いもあります」
 
野田先生はひざへのテーピングはケガを繰り返さないための補強や、成長痛への対処に有効だと言います。
 
ひざのお皿の下を8の字に巻いて固定。ケガの予防、再発のために覚えておくと成長痛などにも対処できる
 
「ケガが治ったのにテーピングをしているなんて軟弱だ!」
 
そんな古い考えの持ち主はさすがにもういないと思いますが、野田先生によるとギプスと違い、テーピングによる補強で腱やじん帯が弱くなるというデータはないそうです。
 
「残念ながら現段階の医療ではじん帯は再生できません。サッカーを一生懸命やって、何らかのケガをしてしまうことは誰にでも起こり得ることですが、それが初めてのケガならば、対処を間違えなければ将来に影響を与えるようなケガに発展することはまずありません」
 
痛みが原因で思うようにプレーできない。いつもどこかをかばうようにプレーをしている。子どもたちの体に起きる異変のほとんどが、ケガのへの対処、テーピングやアイシングといった適切な応急処置と、その後の医療処置、患部のリハビリ、復帰までの正しい期間の見極めで決まると言います。
 
「子どもたちが、体のどこにもストレスを感じることなく、楽しく、全力でプレーするためには正しい知識とケアが大切です」
 
コーチはもちろん、お父さん、お母さんもテーピングの巻き方やその意味、予後を分ける応急処理について知っておく必要がありそうです。
 
 
野田哲由(のだ てつよし)
レスリングの山本郁榮先生の下でテーピング・アスレティックリハビリテーション等を勉強し、柔道整復師、あん摩・マッサージ・指圧師、灸師免許を取得。レスリング協会トレ-ナーとしてソウル五輪などに同行。その後、サンフレッチェ広島の前身であるマツダ(株)サッカー部専属トレーナーに。Jリーグ発足後はサンフレッチェ広島チーフトレーナー、アビスパ福岡チーフトレーナーを歴任し、多くのJリーガーの傷害に対処した。
(公財)日本体育協会公認アスレティックトレーナー。了德寺大学健康科学部教授。
 

野田先生監修のスポーツテーピング講座の動画はこちら>>
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