健康と食育

2015年7月20日

「私生活の過ごし方がパフォーマンスを左右する」は正しい!【プロから学ぶ疲労回復と夏バテ対策4】

今季J2昇格を目指し、J3で2位(7月12日現在)と昇格を射程圏内にとらえるFC町田ゼルビア。そこでチームのパフォーマンスを支えているのが、フィジカルコーチの大塚慶輔さんです。コーチとして選手のコンディションを管理し、一緒に長いシーズンを戦っています。育成層のフィジカル指導の経験もある大塚さんに夏に向け、疲労回復と夏バテ対策について様々なアドバイスをいただきました。(取材・構成 木之下潤 写真 サカイク編集部)
 
 
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■パフォーマンスは、私生活の過ごし方が決める

――疲労回復にはメンタル的な要素も含まれているのですね。
 
「パフォーマンスを支えているのは何かわかりますか。それは心身です。では、心身を支えているのは何かわかりますか。答えは私生活(生活習慣)です。
 
(ゲームパフォーマンスを上げるには、三角形の底辺を広げる必要がある)
 
パフォーマンスは心身の状態が大きく作用します。やる気がなかったらいい練習はできないし、試合で力を発揮できません。やる気を起こそうにも私生活で彼女と別れたり、奥さんと喧嘩したら当然わき起こってきませんよね。気持ちだけでなく、身体的なものも同じです。風邪や二日酔いになれば、いい練習やいいパフォーマンスができるわけがありません。パフォーマンスに直結するのは心身の状態ですが、それを支える土台となっているのは私生活です
 
――なるほど、とてもわかりやすいです。
 
「さらに注目してもらいたいのは、左右に示されたピラミッドの大きさです。パフォーマンスを大きくしたければ、心身のさらなる充実が必要不可欠だし、その土台となる私生活もさらなる質の向上に努めなければならない。選手たちには、常にパフォーマンスの大小を比べ、その差について話をします。我々のクラブで言えば、J2昇格と優勝。個人では、レギュラーや試合出場数、そして日本代表選出や海外でのプレーなど様々です。そう考えたとき、パフォーマンスの向上は心身の状態に目を向ける必要があります。負けたからと『グダグダと愚痴をこぼすな』『ヤケ酒を飲むな』。いい心身の状態といい私生活がパフォーマンスにつながることを見つめさせます
 
――では、逆も起こりうると。
 
「その通りです。ネガティブに考え、行動すれば、同時にパフォーマンスも小さくなっていくのです。だからこそ、心身の状態が大事なのです」
 
――最近では、キレやすい子ども、物事を投げ出しがちな行動をとる子どもが増えていると聞きます。
 
「ようするに、何が目的なのかを明確に持つことが大切です。それはプロも同じ。ジュニア世代の子どもにとっては厳しいことですし、目標設定をした時点でそれにとらわれてストレスに感じるところもあります。しかし、そのプレッシャーに打ち勝たないと、目標は達成できません。今はJリーグもクラブ数が増え、プロ選手の数も増えました。一方で、すぐに辞めざるを得ない選手も増えているということです。現役選手の喜びはプロとしてプレーをし続けることです。それが大きな目標のはず。だからこそ、目標設定は次々に変わっていくものです。レギュラー、出場数、強豪クラブへの移籍、代表…。常にPDCA、つまりプラン、ドゥ、チェック、アクションを行い、その時々でプランの見直しをはかりながら目標設定を変えてアクションを起こし成長をしている。それがスパイラル状に上昇していくから最終的な目標が達成できるわけです」
 
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