健康と食育
2017年3月29日
サッカーのケガには2種類ある!? 少年サッカーで起きやすいケガとその対処法とは
子どもたちのサッカーに付きもののケガについて、その対処や治療法、受け止め方やリハビリなど、どう向き合ったら良いか悩んでいる保護者の方も多いと思います。
「ケガについて知っておきたいけど、難しいことはわからない」
「素人考えで対処して大丈夫?」
サッカーとケガについて心配しているというお父さん、お母さんに向けて、サッカーで起こりやすいケガ、ケガについての基本知識と対処法をご紹介しましょう。
お父さん、お母さんが知っておきたいサッカーのケガについて教えてくれるのは、株式会社国際スポーツ医科学研究所代表取締役でJASA公認アスレティックトレーナーを務める理学療法士の金成仙太郎さん。
サッカーを中心にジュニアスポーツの現場での経験も豊富な金成さんの監修で、子どもたちに起こりがちなケガについて見てきましょう。(取材・文 大塚一樹)
イラスト:アカハナドラゴン
■子どもたちのサッカーで起こりやすいケガとは?
子どもたちのサッカーで一番多いケガはなんだと思いますか?
金成さんによると、幼稚園や小学生年代では、捻挫や骨折よりも、体をぶつけることによる打撲が多いと言います。
「ウチはケガするほどレベルの高いサッカーしていないから」と仰る保護者の方もいますが、成長過程にある子どもたちは、走ることはできても急に止まったり、相手を避けたりする筋力が十分ではありません。「止まれない」ことで、他の選手にぶつかってケガをすることが多いというのです。
「ジュニアの大会などでトレーナーとして参加することもありますが、骨折や捻挫もありますが、圧倒的に多いのは子どもたちに限って言えば打撲が多いです」
サッカーのケガの定番と言えば足首の捻挫!と思いがちですが、「止まる力」がまだ弱い子どもたちは、体と体をぶつけ合って打撲を負うことが良くあると言います。
■サッカーで起こるケガの種類
子どもたちのサッカーで起こりやすいケガといして、まずは打撲への対処法をご紹介していきたいと思いますが、その前に、「ケガの種類」について、みなさんの頭を整理するためにも、大きく二つに分類しておきたいと思います。
いわゆる「ケガ」には、先ほどご紹介した打撲や捻挫、骨折などの「外傷」と、練習などで同じ動作を繰り返すことなどによって起きる「障害」があります。成長期のサッカー選手につきものの障害と言えば、主にヒザが痛くなる「オスグッド病」と、かかとの痛みが主症状の「シーバー病」があります。オスグッド病とシーバー病は小学生にも多い障害なので、この連載でも取り上げますが、まずは「ケガ(傷害)」には「外傷」と「障害」があることを覚えておいてください。
〇サッカーのケガ(傷害)は2つに分けられる
外傷(捻挫、打撲、骨折など、プレー中に起きた突発性のケガ)
障害(特定部分の使いすぎや成長期によって起きる慢性的なケガ)
イラスト:アカハナドラゴン
■打撲への対処法 基本的な対処を押さえる
外傷と障害の違いがわかったところで、子どもたちに多いという打撲を例にとって、外傷への対処方法を見ていきましょう。
サッカーの練習中、ゴールに向かってドリブルをしていた選手が、目の前のDFをかわしきれずに、交錯してしまいました。 スピードに乗った状態でぶつかったため、双方ともとても痛そう。特にDFの子はドリブルしてきた選手のヒザがももに入り、倒れ込んでしまっています。
「あるある」という声が聞こえてきそうな状況ですよね。こんな時あなたならどうしますか? 親の立場ではどこまで介入するか難しいところですよね。あまり心配しすぎても「過保護」と思われそうですし、コーチが何もしていないのに駆けつけるわけにはいかないし……。
ついつい「痛くないだろ!? それくらいで痛がるな」なんて声をかけてしまいがちですが、ケガに対しては、「もし大きなケガだったら?」ということを考えて行動すべきです。
「何か起きたらまずは練習やプレーを止めること。ケガをした子どもをピッチの外に出して、ケガの程度を見ましょう。それで問題なければすぐに練習に戻れば良いだけですから」
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