健康と食育
2017年10月25日
ファストフードは悪者じゃない! ワンコインで栄養補給ができる選び方のコツ
ファストフードは、手軽に食べられる食事形式のひとつではありますが、一方で「栄養が偏っていそう」「食品添加物が多そう」「脂質が多そう」などのイメージがあり、家族に積極的に食べてほしい食品ではないと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回お話を聞いた元日本オリンピック委員会強化スタッフで、現在はアスリートや企業の栄養アドバイザーであり、WATSONIA代表の管理栄養士の川端理香さんは、「ファストフードは選び方や注文方法で、選手にとって適切な補食になります」と言います。
子どもの健康と成長を願う親として、つい目くじらを立ててしまいがちなファストフードですが、上手に活用すると栄養素の摂取という面で良いこともあるそうです。どのような栄養素が摂取できて、家庭で気を付けるポイントがあるのか、などを伺いました。(取材・文:小林博子)
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■栄養面から見たファストフードのメリット
たまに立ち寄るファストフード店は、子どもにとって仲間同士でわいわいおしゃべりをしながら食べられる、楽しい空間です。高学年になって自分たちでサッカーに通うようになると、練習後などに子ども同士で食べてくることもあるかもしれません。
ファストフードは健康面を考えるとあまり良い印象が持てず、またファストフードでお腹がいっぱいになってしまい、肝心の食事が食べれないという心配があります。確かに、あの糖質と脂質の組み合わせは大好きな子どもも多く、思わず食べ過ぎてしまうこともあるでしょう。
それを防ぐには、メニューの選び方と注文の仕方にコツがあります。
まずポイントは、タンパク質をとれるものを選ぶことです。成長期の子どもにはタンパク質は欠かせない栄養素です。
また、スポーツの現場では「トレーニング後の素早い疲労回復のためには、回復のゴールデンタイムである運動後30分以内に糖質とタンパク質を摂ることが良い」とされているのだそうです。運動によって消耗されたエネルギーを糖質で補給するだけでなく、酷使された筋肉を修復させる材料となるタンパク質も同時に摂ることが望ましいからです。
ファストフード店でのメインのメニューのひとつであるハンバーガーは、パン(糖質)にハンバーグやチキンなど肉が挟んであるものが多いので、エネルギー源(糖質)と、筋肉・骨・血液をつくるタンパク質が同時に摂れるのです。
ただし、肉は揚げたものではなく、焼いたものを選びましょう。糖質と脂質の組み合わせであるファストフードは、エネルギー過多になりやすいため、なるべく余計な脂質はとらずにエネルギーを抑えることが大事です。
サッカー少年少女の補食としてファストフードを摂取する際には、身体をつくる役割を持つタンパク質とカルシウムの補給がカギとなります。サイドメニューは牛乳をチョイスするとよいでしょう。メニューに牛乳がなければ果汁100%のジュースでビタミンCを補いましょう。
ファストフードには糖質が多く含まれます。糖質は、エネルギー源として無くてはならない栄養素ですが、摂りすぎも良くありません。「ごはん」の記事でご紹介したように、摂りすぎたエネルギーは脂肪になり、蓄積されてしまいます。脂肪細胞が増えることで肥満体型になったり、糖尿病のリスクが高まるので、パンやポテトは食べすぎないよう注意が必要です。