健康と食育
2018年8月21日
ミネラルって何なの!? Jリーガーにもいる、食事に気をつかっているのに大きくならない、ケガを繰り返す選手たちの誤った認識
元日本オリンピック委員会強化スタッフで、現在はスポーツ栄養WATSONIAの代表としてプロスポーツ選手から企業まで広く栄養サポートをしている管理栄養士、川端理香さんに食事の大切さを教えていただきます。
これまで、どうして朝食をたべないといけないのか、木綿と絹豆腐のどちらが身体を大きくするのに効果的か、お魚の脂で血液がサラサラになり持久力もアップするお話など、お子さんの身体を大きくすることや力を引き出す食事について教えていただきました。
前回は、子どもたちが大好きな「果物」、その中でもよく食べられるバナナはエネルギー源として優れているというお話をしました。
後編では、スポーツをした後の疲労回復に効果的な栄養素を含む果物と、その摂り方をお伝えします。プロ選手であるJリーガーも意外にちゃんと認識できていないビタミンやミネラルのお話、よく口にする食品だからこそぜひ知っておいてほしい情報です。
<<関連記事:1本でご飯一杯分のエネルギー補給! 食欲がない時におすすめ、バナナとスポーツの関係
■「ミネラル」という栄養素は無い
みなさん、果物はビタミンやミネラルが多い食品と思っていませんか? その認識は正解でもあり、そうともいいきれないことはご存知でしょうか。
よく誤解されている「ミネラル」ですが、ミネラルという栄養素は実はありません。勘違いされやすいのですが、実際にとある商品のパッケージに「この商品はミネラルとカルシウムが...」とあったのですが、これはおかしいとお気づきでしょうか。ミネラルという栄養素は存在せず、カルシウムや鉄、カリウムなどをまとめて「ミネラル」と呼ぶのです。
そう言われてみると、果物にはカルシウムや鉄はあまり含まれていない印象がありませんか?
果物には、カリウムは多く含まれています。でもこのようにミネラルの中でも多く含む、含まないがあるため「果物=ミネラルが多い」という風には一概にはいえないことがわかるでしょう。ですので、今回まずお伝えしたいのは、商品の説明で「ミネラルが多い」とあった場合に、何のミネラルが多いのかを確認することが大切だということです。このことはビタミンも同様です。
■Jリーガーでも勘違い 身体が大きくならない、ケガを繰り返す選手の誤った認識
ビタミンが多いと一口にいわれやすい果物ですが、ビタミンもビタミンA、B1、B2、ビタミンC......。と多くの種類があります。どの種類のビタミン、ミネラルが多いのかが大事なのです。
実際のJリーガーもそうですが、食事を気にしている割にはなかなか身体が大きくならないとか、同じケガを繰り返す選手がいます。食事のカウンセリングをするとそういった選手が口にするのが「果物はビタミンとミネラルが多いから」という言葉。本人は意識しているつもりでも、実は適当に食べているにすぎなかったりするのです。
これではパフォーマンスがあがるわけがありません。