健康と食育
2018年10月 4日
納豆のタレがパフォーマンスアップに影響!? Jリーガーも驚き!意外な盲点だった調味料のはたらき
元日本オリンピック委員会強化スタッフで、現在はスポーツ栄養WATSONIAの代表としてプロスポーツ選手から企業まで広く栄養サポートをしている管理栄養士、川端理香さんに食事の大切さを教えていただきます。
これまで、どうして朝食をたべないといけないのか、木綿と絹豆腐のどちらが身体を大きくするのに効果的か、お魚の脂で血液がサラサラになり持久力もアップするお話など、お子さんの身体を大きくすることや力を引き出す食事について教えていただきました。
今回は、料理の味付けに欠かせない調味料についてお伝えします。納豆や卵、サラダにお肉料理などなど、当たり前に食卓にあって何の気なしに使っている調味料ですが、じつは使い方次第でサッカーのパフォーマンスにも影響が出てくるのです。
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■商品によってカルシウムの含有量に数百倍も違いが! 調理に欠かせない「塩」の選び方
管理栄養士としてJリーガーの家出の食事を作っている奥様方にアドバイスをすることがあります。その際に、「家でどんなものを食べているか」の前に、確認するものがあります。
その一つが調味料です。実はこれが重要で、料理の栄養価が大きく変わることがあるのです。
まず塩です。
みなさんはどのような基準で選んでいましたか? 塩の選び方のコツは、ミネラルの量です。塩のパッケージの栄養成分を比較するとわかるのですが、商品によって含有量が大きく違うものがあるのです。塩は発汗等を意識して摂ることが薦められるので、ナトリウムの量を気にしている選手も多いのですが、実は見てほしいのはカルシウムの量なのです。商品によって数百倍もの違いがあります。
もちろん、パッケージの栄養成分値は100gで表示してあるので、記載されている量を摂ることはできません。でも毎日使うものですから、一見わずかな違いでも積み重なれば大きな違いになるのです。
特に、一度買ってしまえばしばらくは使えるものですし、そもそも選手にとっては毎日の食事の中で何の負担もなくミネラルが補給できます。そう考えると、やはり体にとって必要なものが含まれるものを購入したいものですよね。
次に醤油です。
和食の定番、醤油には薄口と濃口があります。勘違いされやすいのですが、薄口醤油の方が塩分量が高いのです。ですから、発汗量が多い時や熱中症が気になる時期は薄口醤油にしたり、そうでない場合は濃口醤油にするなど使いわけをすることもお薦めです。ちなみに、この薄口と濃口の違いは、しょうゆの色が薄いか濃いかの違いです。
それともう一つ、醤油の選び方で大切なことがあります。それはやっぱり原材料です。
Jリーガーたちも、醤油が大豆から作られているとわかっている選手は多いものの、中には自宅に醤油がない選手がいました。その選手の言う「醤油」は、俗にいう「めんつゆ」だったのです。聞けば「甘いしおいしいから」という理由でめんつゆを買っていたそうなのですが、みなさんご理解のとおりこれは醤油ではありません。「めんつゆ」もたくさん種類があるのですが、たいていは果糖ぶどう糖液糖などが含まれています。だから甘いわけですよね。
このいい例が、納豆のタレです。
たかがタレ、と思うかもしれませんが、体重管理やパフォーマンスにも影響することがあるのです。
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