健康と食育
2020年6月10日
未体験の夏 2020年版知っておきたい熱中症対策 ―対策編―
新型コロナウィルスが確認されたから迎える初めての夏。熱中症対策と新型コロナウィルス対策、どちらも適切に対応することが今年の夏の課題です。前回に引き続き池袋大谷クリニック院長の大谷義夫院長に今年ならではの対処法について教えていただきました。(記事提供:大塚製薬株式会社)
■今年は熱中症と新型コロナウィルスのW対策が必要
例年と違って今年の夏は熱中症の予防と同時に、コロナウィルスの対策もしなければなりません。コロナウィルスを予防する上でマスクは必需品。けれど、マスクをすると口の中が保湿され、喉の渇きを感じにくくなってしまい水分補給を忘れてしまうことも。さらにマスクをしていると、マスクを外して水分を飲むことが億劫に感じられます。マスクは表面にウィルスがいると考え、ベタベタと触ってはいけないもの。また、マスクは常に着けているもので、しょっちゅう脱着するものではないという認識があり、マスクを外して水分を取るということがおろそかになりがちです。ですが、熱中症予防に水分摂取は基本。こまめに水分を取りましょう。
何度もマスクを外すのが面倒だからと、一度にたっぷりの水分を取っても逆効果です。がぶ飲みをすると、かえって汗をかくことになります。ですから、少量の水分を何回にも分けて摂取すること。食事からでも水分がとれますが、夏の間は1日に1500mlは飲みましょう。最低でも1時間に100ml。外で運動をするならもっと多くの水分が必要です。子どもたちはマスクをしながらの授業は辛いと思いますが、授業と授業の間には忘れずに水分補給をしてほしいです。
■感染予防のためにマスクの取り扱いにも注意
マスクの着脱はゴム紐だけを持って行いましょう。なるべく表面は触らないことが原則です。表面を触ってしまったら必ず手洗いを。手が汚染されてしまったら、目鼻口は触らないことが基本です。私は水分を取るときや食事の際に外したマスクはティッシュの上に置いています。使い捨てのマスクは毎日取り換えるのが理想ですが、まだマスクの供給が不足していて1日1枚取り換えるのが難しければ、マスクをガーゼやキッチンペーパーなどで覆ってしまうのも一つの方法です。マスクの表面に飛沫が飛んできて汚染されるので、マスクの表面から内側までくるりとガーゼやキッチンペーパーで覆います。ガーゼやキッチンペーパーだけを取り換えればマスクが長持ちしますね。コロナに関してはウィルスが長く生息するという報告があるので、マスクの表面を汚染させたくありません。ガーゼは滅菌である必要性はないですし、洗うこともできます。
■熱中症予防には、充分な睡眠とバランスの取れた食事が不可欠
炎天下の時は誰でも熱中症を注意しますが、注目したいのは温度より湿度の高さです。WBGT(湿球黒球温度)の暑さ指数があるように、熱中症は温度だけでなく湿度も重要なのです。特に梅雨時期は湿度の高さに注意してエアコンで除湿するなどの対策をしてください。
日々の生活では、当たり前ですが睡眠をきちんととってバランスの取れた食事をしてください。夏の時期は食事を軽く済ませようと、麺類など炭水化物ばかりになりがちです。そうなると栄養が糖質に偏ってしまうことになります。体の中を循環する血液量を保つためにはタンパク質が必要で、循環血液量が保たれると皮膚に汗から出やすくなりますので、暑熱順化しやすくするためにはタンパク質をきちんととった方がいいと言われています。タンパク質の含有量が多い食品である牛乳やヨーグルトなどを積極的にとるとよいでしょう。
■太い血管を冷やして、深部体温を下げるのも有効
熱中症の症状が出たら、水分補給と同時に体温を下げる必要があります。サッカーの練習や試合の際には、体を冷やすための氷などを用意しておきましょう。冷やすのは頸動脈などの太い血管です。脇、鼠径部、両側の頚部首の45度あたりを冷やします。太い血管を冷やすことで、血液の温度が下がり、身体を循環することで全身にいきわたり深部体温を低下させるのです。
■電解質(イオン)の入ったスポーツドリンクで効果的に水分補給を
子どもたちはサッカーの練習や運動をすると大量の汗をかいて体温調整をしています。汗の成分の99%は水、残りの1%の多くはナトリウムで、カリウム、マグネシウムなどのミネラルも含んでいます。喪失した汗の成分を補給するために、水以外にナトリウムなどをはじめとした電解質(イオン)が必要になります。ポカリスエットなどのスポーツ飲料にはそうした成分が含まれているので、たくさんの汗をかいた時の水分補給には適しています。熱中症にならないように、練習中にもこまめに水分を補給してください。子どもたちはサッカーや遊びに夢中になるとつい水分補給を忘れてしまいます。親御さんには子どもたちへの声かけをお願いしたいですね。
大谷義夫(おおたに・よしお)
医学博士、池袋大谷クリニック院長
東京医科歯科大学 第一内科、呼吸器科、睡眠制御学講座において21年にわたり内科疾患、呼吸器疾患、アレルギー疾患、睡眠医療に従事。2005年に東京医科歯科大学呼吸器内科医局長に就任。2009年に東京医科歯科大学呼吸器内科兼睡眠制御学講座准教授就任。呼吸器内科の専門医として2009年に呼吸器とアレルギー領域の診療に特化した池袋大谷クリニックを開院。「絶対に休めない医師がやっている最強の体調管理」「疲れやすい、痩せにくいは呼吸が原因だった」など著書多数。テレビなどのメディアでも呼吸器内科の専門家として医学的知見からアドバイスを送っている。
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私たちの身体の水分には、真水だけではなく、ナトリウムなどのさまざまな電解質(イオン)が含まれています。大量の汗をかくことで水分と一緒にナトリウムなども失うので、身体の中のイオンバランスが崩れてしまい、パフォーマンス低下につながります。
ポカリスエットは体液に近いイオンバランスの飲料なので、サッカーで汗をかくなどして失われた水分やナトリウムなどの電解質(イオン)をスムーズに補給して、身体をやさしくうるおすことができるのです。
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