健康と食育
2021年7月12日
【熱中症対策】子どもたちを守るためサカイクキャンプが実施する万全の対策 -オンザピッチ編-
もうすぐ夏キャンプの季節がやってきます。チームによってはコロナ禍で活動が制限されたりして、運動不足により身体が暑熱順化できていないお子さんもいるのではないでしょうか。地域によっては梅雨明けしたところも出ており、急に暑くなったので熱中症が心配です。
保護者のみなさんとしては、大事なお子さんを預けるキャンプでどんな熱中症対策やをしているのか、気になるものですよね。
サカイクキャンプでは、安心・安全にサッカーに取り組めるようにさまざまな熱中症対策を実施していますので、まずは子どもたちがプレーをするピッチ上ではどんな対策をしているのかご紹介します。
(構成・文:前田陽子)
■気温の高さだけではない。WBGTを基準に熱中症対策
熱中症とは、高温多湿の環境下で体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体内の調整機能が破綻して発症する障害のこと。めまいや大量の発汗、こむら返りなどの初期症状(I度)、頭痛・嘔吐・倦怠感などの疲労感(Ⅱ度)、体温調節ができなくなる熱射病(Ⅲ度)の三段階に分かれます。初期症状の段階では日陰やクーラーの効いている部屋へ移動して、着衣を緩め、水分補給をするなどしますが、Ⅱ度以降は医療機関での診察が必要になります。
消防庁の調べでは、7~9月の熱中症による救急搬送者数は2018年がピークとなっています。2019年の搬送者数は減少していますが、気象庁の発表によると今年は昨年より暑くなると予想されています。また、新型コロナウィルスの影響で暑熱順化できないまま夏を迎えるので、例年以上に注意が必要と言えます。
熱中症の予防に活用するのがWBGT(湿球黒球温度)という暑さ指数。気温、湿度、輻射熱などを取り入れて計測するもので、25℃以上になると屋外活動の警戒指数になり、28~30℃になると熱中症の発生、死亡数が多くなります。8月などの真夏はほとんどの日で25℃を超えるので、屋外活動の際には積極的に休憩を取り、充分な水分補給が必要です。
■熱中症にならないように、サカイクキャンプのピッチで実施していること
1.屋外での練習時間を工夫
キャンプ中はWBGT測定器を用い、数値を確認しています。9時から16時まではWBGT(暑さ指数)の数値が28℃を超えることが増えるので、夏のキャンプ時の屋外練習は朝から9時までと、16時以降に実施するように計画。日中の時間は座学などに充てています。数値は随時計測するので、状況に応じて臨機応変にプログラムを変更し、子どもたちが安全に練習できるように工夫しています。
2.グラウンドに日陰を設置、帽子の着用
サカイクキャンプではテントを持参し日陰の準備をしており、水分補給の際などは、出来るだけテント内(日陰)で行っております。休憩時間や試合の合間には直射を避け、こどもたちの体の負担を軽減しています。
また、練習中も帽子の着用をルール化。頭を直射日光から防ぐことにより、10~15℃前後、頭の温度上昇を防ぐと言われていますので、帽子を推奨しています。
ピッチへの散水なども熱中症対策として挙げられますが、これは気化熱効果で地面温度を下げることで、サッカーがしやすい環境造りになるためです。
サカイクキャンプでは、速やかに体温を下げられるように散水チューブ、霧吹き、ビニールプールを用意し体調に異常があった選手にすぐに対応できる準備をしております。
3.水分補給の時間を確保
ジュニア期のラグビー選手の発汗量と飲水量の実態調査(2011年)によると、WBGT21℃の環境でも1時間で1kg当たり12gの水分量が減少することが報告されています。
少年野球チームを対象に行った夏期スポーツ活動における発汗量と水分補給量の年齢差(2002年)の調査でも、WBGT31℃で体重当たりの発汗量は4.54%。40kgの選手が1回の練習で1,816mlの水分を失うことがわかりました。
これらの調査により、WBGT21℃以下でも練習1時間の間に500mlの水分補給が必須なことが判明しています。WBGT28℃以上では水分喪失量がより多くなるので、サカイクキャンプでは15分に一度250mlの水分補給を目標としています。氷や経口補水液など熱中症対策アイテムも用意しております。
サカイクキャンプでは、上記のような指標をもとに練習メニューをその日の状況に合わせて臨機応変に実施。つねに子ども対の安全に配慮して進行しています。
また、コーチをはじめ、スタッフ全員が子どもたちの様子に目を配り、体調の変化をすぐにキャッチできるように努めているので、安心して参加ください。
次回は、体重管理やピッチ外での準備についてご紹介します。