サッカーを観て学ぶ

2015年5月29日

子どもに伝えたい! CL決勝はメッシの"判断力"に注目

 

■ドリブルとテクニックだけじゃない!メッシを支える“判断力”とは?

 
メッシは以前、インタビューで「相手DFが想像できるプレーはしない。相手をだましたり、逆をとったり、常に判断を変えるんだ」と言っていました。さらに、メッシは得意のドリブルだけでなく、周りの選手を連携して攻撃をすることのできる選手です。彼のドリブルや得点力といった、個の力はすでに伝説的な選手のレベルに達していますが、それに加えてサッカーを理解し、チームメイトとのコンビネーションを使って攻めることができるのも、彼の特徴のひとつです。それゆえに、これほど多くのゴールを決めることができるのだと思います。
 
メッシがサッカーを理解している証拠のひとつに「どのポジションでもプレーできる」ことがあります。いまプレーしている7番(右ウイング)だけでなく、9番(センターフォワード)、11番(左ウイング)、10番(トップ下・インサイドハーフ)と、どのポジションでも決定的な仕事のできる選手です。今季、シャビのプレー時間が短いなかで、バルセロナの攻撃をコントロールしていたのはメッシでした。
 
片方のサイドにスペースがないと見ればサイドチェンジをしたり、中盤の底に位置するブスケッツにあずけたりと、的確な判断で試合の流れを作っていました。現代サッカーにおいて、メッシのように完成された選手はいないでしょう。クリスティアーノ・ロナウドもイニエスタもすばらしい選手ですが、どのポジションでもプレーできるわけではありません。メッシが7、9、10、11番と異なるポジションでプレーできるのは、サッカーに対する理解力が高く「いまこの状況でどのプレーをするべきか」をわかっているからです。
 
チャンピオンズリーグ決勝戦でメッシのプレーを観るときには、ボールを持って仕掛けるときだけでなく、ボール持っていない時に何をしているかにも注目してみてください。いま、ピッチの中で何が起きていて、次に何が起きそうか、どこへ動けばいいかと情報を収集しているかもしれません。ブスケッツのパスを受けるために、下がってボールを受けようとしているかもしれません。メッシは味方を助ける“サポート”の動きにも秀でた選手です。サッカーサービスのスクールでは、U-10、そしてU-13カテゴリーにおいて“サポート”のプレーを理解し、実践するためのトレーニングをしていますが、ジュニア年代の選手にとっても参考になるプレーだと思います。
 

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