サッカーを観て学ぶ
2015年6月 4日
「フォワードでプレーした経験や感覚がディフェンスに生きている」日本代表DF・森重真人
FC東京の森重真人選手に『サッカーを観る』ことについてインタビューした記事の後編。前回、海外の選手の“ずる賢さ”を観て学ぶことの大切さを伝えてくれた森重選手は、今回、いろいろなポジションを経験する重要性や自分のプレーを観ることの大切さを教えてくれました。ぜひ、お子さんと一緒にお読みください。(取材・文 石井宏美 写真 武山智史)
■フィッカデンティ監督には、ぼくらが見えていない“何か”が見えている
――FC東京、そして日本代表の中心選手として活躍する森重選手が、最近あらためて感じたこと、発見はありましたか?
「ぼくが(FC東京の)マッシモ(・フィッカデンティ)監督を見ていて感じるのは、監督業は難しいということ。監督には、ぼくらが見えてない“何か”が見えているんですよね。たとえば、ぼくたちが“今日の試合良かったな”と思っていても、監督からは“今日の試合は良くなかった”と言われたり、逆にぼくらが“今日はダメだったな”と思っていても、監督は“今日の試合は良かった”と考えていたり。それは選手の気持ちをコントロールするためだけに放たれた言葉ではなく、本質的に良い部分と悪い部分が明確に見えているからこそ。もちろん“なぜダメなのか”を分かっているから、ハーフタイムでしっかり修正して臨むと、後半はうまくいくんです」
――試合中に修正することもあるかと思いますが、そういった監督の感覚的な部分は、たとえば試合後、ビデオを見たりした時にあらためて納得する感じなのでしょうか?
「だいぶ意識して(試合を)見るようになったり、試合中も感じるようにしています。前半ダメだったとしたら、何がダメだったのかということを、ハーフタイムに監督の指示を待つのではなく、前半のうちに自分たちが発信して修正できるようになれば、より良いですから。見て、読んで、適応させる。だからこそ、ぼく自身、もっとサッカーを知らないといけないなと感じますし、考えながらプレーしないといけないなと思っています」
――フィッカデンティ監督の下でプレーして2年目となります。
「新しい監督になるたびに、いろいろな発見がありますが、日々面白いですよ。どれが正解というものはありませんが、どんな監督であっても、その監督の様々なやり方を信じて、忠実に表現していきたいなと常に考えています」