サッカーを観て学ぶ
2015年6月 4日
「フォワードでプレーした経験や感覚がディフェンスに生きている」日本代表DF・森重真人
■試合中の感覚と、映像で観る自分のプレーには誤差がある
――ところで、森重選手は小学生のころはFW、その後、ボランチ、そしてDFとさまざまなポジションでプレーしていますが、それぞれのポジションでの経験が、たとえば「FWの“視点”ならこう考えるだろう」というように現在のプレーに活かされている部分はあると思われますか?
「試合の流れなど、“読む”ことはすごく大切なこと。まず、自分がFWだったころに、“相手がこうきたらこう動く”という感覚がある。また、DFは“(自分が)こうきたら、FWはここを狙いたいだろうな”と分かっていないといけないと思うのですが、そういった意味で、自然と体が動くことがあります。それらを考えると、FWでプレーしていた経験や感覚が、ディフェンスでプレーする上において、生きているのかなと思います。つねに相手FWにとって嫌な、厄介なDFでありたいと思っていますが、そういった面で、つねにFWが考えていること、やろうとしていることを観察、読みながらプレーしています」
――森重選手のように気迫あるプレーをし、かつ、いつも冷静で慌てないプレーをする選手でも、試合中は気づかずに後で客観的に見ていたことに気付いた、発見したということもあるのですか?
「たとえば、スピードもあって、今日はすごくいろいろなところに動き、ラインの上げ下げもしっかりできていないと思った試合でも、後でビデオを見ると、“ダラダラ歩いているな”とか“休んでいるな”、“ここでポジショニングをさぼっているな”と感じることがあるんです。また、ファウルをした際に、その瞬間は“いけないファウルじゃない”と思っていても、試合全体の流れから考えると“あそこでのファウルはいらなかったんだな”と気づいたり。テクニックというよりは、自分がどのように試合に入っているか、どう動いているのかを見るのですが、いろいろと気づくことができますし、“もっとちゃんとプレーしなければ”と気を引き締めることができます。だからこそ、客観的に試合を見る、自分を見ることは、非常に大切なことだと僕は感じています」
森重真人
1987年5月21日生まれ。広島県出身。2006年に広島皆実高から大分トリニータに加入。各世代別代表としても活躍。08年北京五輪に出場した。同年9月にはA代表に初選出。10年にはFC東京へ移籍した。13年より主将を務め、14年にはFIFAワールドカップブラジル大会代表メンバーに選出された。今やFC東京はもちろん、日本代表に欠かせない存在になっている。
<<森重選手の試合を観に行こう!!>>
6月7日(日)16:00 松本山雅FC 松本平広域公園総合球技場
6月20日(土)16:00 サガン鳥栖 ベストアメニティスタジアム
6月27日(土)19:00 清水エスパルス 味の素スタジアム