サッカーを観て学ぶ
2015年6月 5日
メッシがボールを持っていない時の動きに注目!CL決勝戦の賢い見方
6月7日(日)早朝3時35分にキックオフするチャンピオンズリーグ決勝の見どころを、サッカーサービスのポールコーチに教えてもらう好評企画。後編はメッシ、ネイマール、スアレスの「トリデンテ(3本の矢)」について、どういったプレーを観るかを分析します。(取材・文/鈴木智之 写真/Getty Images)
■メッシだけじゃない!ネイマールとスアレスもすごい
今季のバルセロナの特徴のひとつに『トリデンテ(3本の矢)』があります。メッシ、ネイマール、スアレスという前線の3人の選手たちです。ルイス・エンリケ監督がチームを率いるようになり、ショートパスをつないで攻める攻撃だけでなく、素早い攻守の切り替えから縦に速く攻めるスタイルで、得点を量産してきました。いまのバルセロナは、ショートパスとカウンターという2つの武器を持っていることになります。
メッシ、スアレス、ネイマール。トリデンテはそれぞれ、異なる特徴を持った選手です。メッシは前回の記事でもお伝えしましたが、マルチな選手で、どのポジションでも高いレベルでプレーすることができます。ネイマールは相手のマークを外す動きに長けており、攻撃時の1対1に優れているので、積極的なドリブルで相手守備陣のバランスを崩すことができます。
スアレスは常にゴールを狙っており、ネイマール同様、相手のマークを外す動きに秀でた選手です。彼は一見、エゴイスティックな選手に見られがちですが、実際は違います。チームのためにプレーすることができる、エゴとは対極にいる選手です。たとえば、中盤のブスケッツやイニエスタ、ラキティッチ、両サイドバックのダニエウ・アウベスやジョルディ・アルバのパスの出しどころを作るため、前線から中盤へと降りてパスを受けます。
バルセロナの攻撃が相手にとって厄介なのは、スアレスがボールを受けに下がると同時に、両サイドのメッシとネイマールが、相手の裏のスペースを使おうと、飛び出しを狙っているからです。ひとりが足元でボールを受け、残りの選手が矢のように裏のスペースを突いていきます。これに対して守備をするのは非常に難しいのです。
今季のスアレスの獲得は適切な補強だったと思います。グアルディオラ前監督の時もそうでしたが、毎年違うタイプの9番(センターフォワード)を獲得してきました。アンリ、イブラヒモビッチ、セスク…。バルセロナがイメージする9番は点を取るだけでなく、チームに攻撃のオプションを与えることができる選手です。スアレスの献身的なプレーは、まさにバルサが理想とする9番と言えます。
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