インタビュー
2010年12月 6日
【前編】父が支えてくれた僕のサッカーライフ 佐藤勇人選手インタビュー(ジェフユナイテッド市原・千葉)
現在、ジェフユナイテッド市原・千葉でキャプテンをつとめる佐藤勇人選手。日本代表経験も持つ勇人選手ですが、そのサッカー人生は平坦なものではありませんでした。双子の弟であるサンフレッチェ広島のエース、佐藤寿人選手とともに志した本格的なサッカー選手への道はどのように始まり、どのような紆余曲折を経て今に至ったのかを聞いてみました。
「小学校の頃からサッカーが好きで、中学にあがったら寿人と一緒にJクラブのジュニアユースにいきたいと考えていたんです。その時に両親がどのクラブへ行けばいいか、とても熱心に調べてくれた。実家は埼玉だったのですが、育成に力を入れているクラブはどこかということで調べてくれた結果、ジェフに行くことをすすめられたんです。地元の中学という選択もあったのですが、一年生はボールに触れないかもしれないというのもありましたし、やるからには高いレベルでやった方がいいと。そこで、ジェフの入団テストを受けて僕も寿人も合格したんです。でも、埼玉の実家からジェフの練習場までは2時間以上もかかる。結局、家族会議をして、両親が決めたのは引っ越し。自営業でラーメン屋を営んでいたんですがそれをたたんで僕ら2人のために千葉に引っ越すことになったんです。今、考えると信じられない両親の決断でした」
この時、お父さんは2人がプロになるとは思っていなかったとのこと。でも2人のサッカーへの情熱を感じ、とことん好きなことをやらせてあげようと決断したそうです。
「だからといって親からのプレッシャーは全くありませんでした。その点でも非常に感謝しています。だから今、多くの親御さんにあらためて伝えたいのは、サッカーを楽しんでいる子供たちにどうかプレッシャーをかけないでくださいということ。自由にやらせてあげて、最終的な決断は子供にさせてあげてほしいということです」
その後、選手としてすぐに頭角を現した2人でしたが、ユースにあがった勇人選手をおそったのは"サッカーを辞めたい"という衝動でした。