インタビュー
2011年6月 6日
『小学生でたくさんのポジションを経験することは、サッカー人生に必ず活かすことができると思う』-【File.2】西川周作選手(サンフレッチェ広島)
――小学、中学時代に独自に行っていた練習はありますか?
「僕は、中学生のときに初めて県選抜に選ばれたのですが、それまではチームの監督に教えてもらっていて、(GK)専門のコーチに教わるという機会はなかったんです。県選抜で初めてGKコーチに教えてもらい、ウォーミングアップの仕方や、様々な練習方法を学びました。それをチームに持ち帰って、後輩たちと一緒に練習していましたね。また、個人的にはキックの練習の一環として、ハーフウェーラインからゴールポストを狙う練習をよく行っていました。コントロールをつけたいという意図からポストを狙っていたんですが、これがまたなかなか当たらない(笑)。最初は10本蹴っても1本あたるかどうかというレベルでしたが、継続的に行ううちに、蹴り方のコツだったり力の入れ加減などの感覚を掴むと、当たる確率も高くなってくるんですよ」
――今振り返って、あの頃にもっとやっておけばよかったなと思うようなことはありますか?
「中学時代では、前半はGKでプレーして、後半はMFやMFでプレーするという機会も多々あったのですが、いろいろなポジションを経験しておけばよかったなと感じます。そうすれば、もっと足元の技術がついていたと思うんです。もちろん、あの頃の経験が今、プレーする上で活かされていますが、欲をいえば、さまざまな経験を積み、技術的にうまくなっておきたかったですね」
■「選手たちが挫折したり、壁に当たったときは、『小さな目標を立てて頑張って』と、温かい目で見守ってあげることが大事なのかなと思います」
――ではプロに入るまでの間で、転機や挫折はありましたか?
「中学3年のときに自分の進路を考えた際、県外の高校に行くか、大分トリニータユースに行くかで少し迷ったことはあったのですが、意外にあっさりと(大分トリニータユース入りを)決めました(笑)。でも、サッカーは本業としてではなく、地元で働きながら続けようと考えていた僕が『プロになりたい』という目標を抱いたという意味では、僕を大分トリニータに誘ってくれた皇甫官(ファンボカン)さんとの出会いや、Jクラブの下部組織入りは転機だったと思います」