インタビュー
2011年7月19日
森脇良太選手(サンフレッチェ広島)インタビュー【File.2】
――ユース時代の寮生活の中での一番の思い出というと?
「たくさんあり過ぎて困りますね(笑)。僕と槙野(智章/FCケルン/ドイツ)があまりにもよくしゃべるので、ゴリさん(森山佳郎広島ユース監督)に『お前ら10分黙っていたら1000円やるよ』といわれて、黙り通したことかな(笑)。その1000円を受け取ったのがすごくうれしかったのを覚えています。僕たちでも黙ることができるんだって!!(笑)
ゴリさんといえば、『これ』とあげるのが難しいくらい、たくさんいろいろな言葉をかけてもらった監督です。その中でも最も印象深いのが、ゴリさん(森山佳郎監督の愛称)の名言にもなっている『気持ちには引力がある』という言葉。サッカーはもちろんのこと、普段の生活の面に関しても、ものすごくいろいろなアドバイスを受けた中でも、すごく心に残っていますよ」
■「チームワークの大事さを感じたユース時代。一人ひとりの雰囲気が良くなければ、それが全体に影響してしまう」
――今年1月のアジア杯では、ムードメーカーとしても大きな役割を果たしました。それはチームワークの大切さを知っているからこそだったと思います。お話を伺っているとユース時代のいい雰囲気を感じますが、その大切さを学んだのも、その頃ですか?
「そうですね。ユースに入ってからです。もちろん、それ以前も仲間の大切さは感じていましたが、それ以上に、自分さえよければいい、自分が目立って成り上がればいいんだというふうに思っていました。
でも、寮でみんなと生活する中で、協調性を養い、自分のエゴばかりを通すのではなく、同時に他人への配慮という面を学びました。それらは、環境はもちろんのこと、ゴリさんや稲田さん(稔・前三矢寮寮長)から指導を受けた賜物でもあると思います」
――チームを盛り上げるようになったのはいつ頃からですか?
「いつの間にか、自然に身についていたという感じですね。
実は、ユースの大会の際に、遠征メンバーに入っても、試合のメンバーから外れる選手が3人くらいいるんですよ。その3人がビデオを撮ったり、チームをサポートするような役割に回るのですが、一度、全国大会中にメンバーを外れた選手がふて腐れたことがあったんです。