インタビュー

2014年7月22日

サッカーへの理解度を深めることでインテンシティも高まる

年代別の日本代表で活躍し、パラグアイ、メキシコ、スペイン、ギリシャ、香港のリーグでプレー経験を持つ、国際派ストライカー・福田健二選手。スペイン・バルセロナに拠点を置き、日本を始め世界中のサッカー選手・指導者のコンサルティングを行うサッカーサービス。今回は特別企画として『スペインサッカー』という共通項を持つ福田健二選手とサッカーサービスのポールコーチの対談が実現! 2回目は「ブラジルW杯」や「プレーインテンシティ」など、盛りだくさんの内容です!
(取材・文/鈴木智之)
 
<<選手それぞれがサッカーに対する哲学を持っているスペイン
 
 
 

■南米の高いインテンシティは、メンタルの昂ぶりから生まれる

――スペインリーグ2年目となるヌマンシアでは、38試合に出場して10得点をあげました。どのようなシステム、ポジションでプレーしていたのでしょうか?
 
福田:システムは1-4-2-3-1で、センターフォワードで出場していました。チームにはベテラン選手が多く、バルサのカンテラでプレーしていた選手もいたのですが、彼らはサッカーをよく知っていましたね。ヌマンシアのスタイルはシンプルで、ロングボールを積極的に使いますし、得点パターンはクロスを中で合わせるものと、3人目の動きで裏に抜けて流し込む形が多かったです。スペインのDFはプレー中、よく話しかけてくるんですよね。「日本人にサッカーができるのか?」とか。精神的に追い込んでいきたいんだろうなと(笑)。相手を不快にさせようとしているなとは思いましたね。
 
ポール:スペインではよくあることです。空中戦で飛ぶ前に、わざと足を踏んでからジャンプをする選手もいます。
 
福田:それをされて、靴ひもが何回か切れたことがあります。パラグアイはもっとひどかったので、慣れていましたが(笑)
 
――福田さんはパラグアイ、メキシコと南米でもプレーされています。ブラジルW杯では南米勢の活躍が目立ちましたが、どのような印象を持っていますか?
 
福田:南米大陸で戦うときの、南米のチームは強いですよね。普段の試合とは、パフォーマンスが全然違います。力の入れ方もすごいですし。感情の昂ぶりを見ていると、彼らにとって南米大陸で行われるW杯は、特別なものなんだろうなと思いました。ブラジルの選手が国家斉唱のときに涙を流したり、ブラジルのGKジュリオ・セーザルがPK戦の前に泣いたり。パッション(情熱)を表に出す部分を見ていても、いままでのW杯とは違うなと感じましたね。
 
ポール:ブラジルW杯では、南米チームのインテンシティ(プレー強度)はものすごく高いものがありましたし、コロンビアやチリのように、サッカーの質そのものが高いチームもいます。
 
福田:インテンシティで言うと、南米の選手の試合にかけるメンタルはすごいですよね。最後の最後の場面で身体を投げ出して足を出すのは、メンタルがかなり影響していると思います。インテンシティを高めるためには、日頃のトレーニングでどれだけ重要視して、意識できるかだと思います。身体をぶつける、フィジカルコンタクトの強さも必要ですし、1本のシュートにこだわること、シュートを打たせないために、身体を投げ出す気持ちの面などは、指導者が言うべきだと思います。ペナルティエリアに入って、シュートを打つ場面になると、相手は身体を投げ出してきますよね。FWの選手はそれをどうかわすか。ブラジルW杯を見ていると、DFが身体をぶつけようとしても、一瞬のスピードの変化でかわされたりして、接触できない場面も目にします。ステップワークの重要性も感じますね。
 
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