インタビュー
2015年3月25日
山口素弘の父親論!サッカーチーム選びの基準は"挨拶"だった
前回の記事では「子育ての基本は、親が我慢すること」という持論を語ってくれた元日本代表キャプテンの山口素弘さん。後編となる今回は、また違った側面から子どもを育てるために大事な話を展開。21歳、19歳、10歳の息子を持つサカイク読者の先輩が語る「長男・次男・三男」の異なる育て方とは?(取材・構成 小須田泰二 写真 サカイク編集部)
■三者三様、山口3兄弟の性格
――今回は3人のお子さんの育て方についておうかがいしたいと思います。「長男・次男・三男」とそれぞれのアプローチの違いなどはあるのでしょうか。お名前は確か、一磨(かずま)くん、優磨(ゆうま)くん、啄磨(たくま)くんでしたよね?
はい。長男の一磨は現在21歳でもう社会人として働いています。次男の優磨は大学2年生。大学でサッカーをしています。そして三男の琢磨は彼らとは歳が離れていて、現在10歳の小学5年生です。
――父親歴21年。サカイク読者に子育ての先輩としてアドバイスなどがありましたら教えてください。
とんでもない、ぼくからアドバイスなんてありませんよ(苦笑)。いまも自分自身悩みながら子育てしている状況ですが、みなさんもそうであるように、長男というのはかわいさあまっていろいろと手をかけてあげたくなる。ぼくも例外ではなく、長男にはしっかり手をかけてきたぶん、もっと自由にさせてあげれば良かったのかなと反省することはあります。挨拶はしっかりできる子になったのかなとも思います。人づてに「(長男は)元気に挨拶してくるよ!」と聞くと嬉しくなります。
――次男の優磨くんについては?
長男が率先して挨拶するものだから、次男は長男から紹介されて「どうも」と言うだけで済んでしまう。ぼく自身も、しつけに対する意識が緩くなってしまって、次男は挨拶するのが苦手という印象がありました。ですから次男は、あえて規律の厳しいクラブに入れました。そのジュニアチームの練習を見学しにいくと、練習が始まる前にまずはコーチに「よろしくお願いします!」と挨拶し、しっかり握手してからグラウンドへ入っていく。その光景を見て「ここはいいな!」と二男をそのクラブに入れました。三男は誰に言われることもなく、なぜか挨拶がしっかりできるんです。
――3人のお子さんの性格の"違い"はありますか?
それぞれ性格や個性は違いますね。もちろん兄弟ですから似ているところもあれば、似ていないところもあります。長男について言えば、ぼくの友人など大人が集まることが多いなかで育ってきましたから、甘やかされてなんでも許されてしまうことがありました。そこはしっかり注意していました。目上の人に対してタメ口を使うことはありませんでしたが、馴れ馴れしい言動を取ったら、「○○サンと言いなさい」と言うように、言い直すことを促したので、どちらかというとしっかりした性格に育ったのかなと思います。
――次男や三男の性格はいかがですか?
次男はひとりでいる時間が大好きですね。"ひとり遊び"というか、"ひとり時間"が好きで、その時間を壊されることを嫌うマイペースな人間。長男ばかりに手をかけてずっと放っておいたからでしょうか。三男に関してはすごく気遣いのできる子です。親が言うのもなんですが、本当に優しい子です。「疲れてない?」とか「大丈夫?」とか、「荷物を持とうか?」とか、誰に頼まれることなくスマートに優しい言葉をかけてくれる。自己主張もあまりなくて、「なにもいらない」「別に大丈夫だよ」と言うんです。