インタビュー

2015年12月29日

「息子のサッカーのプレーについてはコーチにお任せする」元日本代表FW・北嶋秀朗の父親論

高校時代は市立船橋高校のエースとして、全国高校サッカー選手権大会に3年連続で出場。高1、3年時には優勝を果たすなど、輝かしい成績を残した北嶋秀朗さん。高校卒業後に柏レイソルに加入し、エースとして活躍されました。清水エスパルス、ロアッソ熊本でプレーした後、現役を引退し、昨年からロアッソ熊本でコーチを務めています。高校サッカーのスターになり、プロ入りする。これは多くのサッカー少年が憧れとして描く、夢のキャリアです。プロになる夢を叶えた北嶋さんは、現在4人の子どもを育てる父親でもあります。はたして、北嶋流の子育てとはどのようなものでしょうか? 前編ではサッカークラブのコーチと子どもの接し方について、北嶋さんの考えを話してもらいました。(取材・文・写真 鈴木智之)
 
 

■聞くことといえば「楽しかった? 楽しくなかった?」くらい

――以前、サカイクではジュニア年代のお話を聞かせて頂きましたが、今回は“父親”という立場で色々聞かせていただければと思います。
 
よろしくお願いします。ちょうど、一番上の子どもがサッカークラブに入っているので、サカイク読者のみなさんと同じ立場だと思います。
 
――いま、お子さんは何人いらっしゃいますか?
 
4人います。一番上が小学校6年生、2番目が小学3年生。3番目が幼稚園の年長、一番下が今年生まれたばかりです。上の2人が男の子、下の2人が女の子です。
 
――男の子2人はサッカーをやっているんですか?
 
はい。いまは熊本のクラブチームでやっています。上の子も下の子も幼稚園からサッカーを始めて、当時は柏レイソルのスクールに通っていました。
 
――子どもたちの練習を見に行くことはありますか?
 
一番上の子が幼稚園や小学校低学年の頃は、よく見に行っていました。当時はまだ小さかったので、どれだけ楽しそうにサッカーをしているかを見て、プレーについてああだこうだ言うことは一切なかったですね。サッカーが終わって「楽しかった? 楽しくなかった?」と聞くぐらいで「何点取った?」などは聞かず、楽しかった話しかしなかったです。あのドリブルすごかったね、あのシュートすごかったねと、良かったことについて話をすると、子どもはうれしそうな顔をするんです(笑)
 
 

■父・北嶋秀朗の言うことよりも、普段教えてもらっているコーチの言うことが絶対!

――お子さんのプレーをビデオに撮って、家で見返すことはありますか?
 
妻が試合の映像を撮影してくれるので、家に帰って子どもと一緒に見ることはあります。プレーを見ながら「このときは、ここにポジションをとったほうがよかったかもね」とアドバイスをすることはありますがそのときに必ず「ただ、俺はそう思うけど、普段教えてもらっているコーチが言うことが絶対だからね」と念を押しています。そこはコーチと親の関係として、一線を越えないようにしています。
 
――どうして、線を引こうと思ったんですか?
 
子どもをコーチに預けて任せている立場ですからね。もし、ぼくから見てコーチの指導内容があまり良くないと思ったならば、チームを変えればいいわけです。大前提として、コーチのやり方や考え方をリスペクトしています。それに、もし自分の子どもが、うまくプレーできないことをコーチのせいにすることがあれば、ものすごく叱ると思います。いまは、そういうことは言ってこないですけどね(笑)
 
次ページ:人のせいにせず、つねに自分に矢印を向けるようにしなさい
 

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