インタビュー
2016年9月15日
元日本代表・福西崇史が教えるボランチの極意!「うまいボランチはサボるのもうまい」
ジュビロ磐田の黄金時代を中心選手として支え、日本代表としてワールドカップに2大会連続で出場した福西崇史さん。攻守の要となる「ボランチ」として活躍している姿は、サカイク読者のお父さん・お母さんの記憶にも焼き付いているのでは? しかし、実は福西さん、プロになるまでは“ボランチ未経験者”だったそうです。(取材・文 北健一郎 協力 東邦出版)
■元ブラジル代表キャプテン“ドゥンガ”が手本
「元々はFWだったので、ボランチをやれと言われたときは驚きました。でも同時に『試合に出るためのチャンス』だと思いました。やっていくうちに、ボランチの面白さに気付いていきました」
福西さんにとって、ボランチのお手本となったのが、ブラジル代表のキャプテンとして世界一に輝き、当時ジュビロ磐田でプレーしていた“闘将”ドゥンガでした。
ドゥンガの福西さんへの“ボランチレッスン”は文字通りのスパルタ式。練習中でも試合中でも、いつも怒られていたそうです。ユニフォームを引っ張られて「体の向きはこうだろ!」とピッチ上で指導され、パスミスをしたときは「どこを見ているんだ!」と顔と顔がぶつかるぐらいの距離で怒鳴られる……。
「正直、むかつくこともありましたよ。どうして子どもみたいに怒られなきゃいけないんだって。でも。ボランチとしては素人同然だった僕がワールドカップに出場できたのはドゥンガのおかげだと思っています」
■走れなくてもボランチはできる
福西さんがドゥンガから学んだのが「サボり方」です。「サボる」という言葉には「不真面目」や「ずるい」という印象があります。しかし、福西さんは「うまいボランチはサボるのがうまい」と言います。
「ドゥンガはベテランだったので運動量は決して多くはありませんでした。だけど、他の人をうまく使うんです。そこに行け、もっと寄せろ、と周りに指示をしてボールを奪う。そしてチャンスだと思ったらスルスルと持ち上がってミドルシュートを決めて、美味しいところを持っていくんです」
ボランチ=運動量が豊富な選手がやるポジション。そんなイメージを持っている人も多いかもしれません。でも、福西さんは「走れなくてもボランチはできる」と話します。
「ぼく自身が走れる選手ではなかったので、ドゥンガのプレースタイルは参考になりました。そんなに走れないから、どうやってプレーするかを考えなければいけない。例えば、10メートル先にボールがあるとします。そこに全力ダッシュで寄せに行くよりも、次の展開を予測して、ボールが出てきそうな場所に移動しておけば、ボールのほうからこちらに来てくれるので、必要以上に走らなくて済みます」
元日本代表ボランチ福西崇史さんが、
ボランチで上手にプレーするためのコツを伝授!
サッカー少年の子育てに役立つ最新記事が届く!サカイクメルマガに登録しよう!