インタビュー
2016年11月 9日
子どもは「やれ」と言われたらやらない!中村憲剛のサッカー少年の育て方
チャンピオンシップの出場を決め、初タイトルへ向けて邁進中の川崎フロンターレの主将・中村憲剛選手は今年も好調を維持し、チームを引っ張っています。今季は3人目となる娘さんが生まれましたが、奥さんの出産までの間に、家事を率先して手伝ったことにより、選手としての状態もより一層上がったと話してくれました。通常の育児に加えてサッカーコーチとして子どもと接する機会もあるそうです。そんな中村選手に、サッカー少年の育て方、親がとるべき子どもとの接し方について語ってもらいます。(取材・文 竹中玲央奈 写真 平間 喬)
■憲剛ジュニアのポジションはFW
――中村選手のお子さんは今おいくつですか?
息子はいま小2です。生まれたときからボールをそばにずっと置いていて、それがきっかけでサッカーをはじめました。いろいろなおもちゃを置いたりしたけど、ボールを転がしてるときにぼくがすごく喜んでいたのを見て、本人も多分「パパが喜ぶからやろうかな」と1 歳のころにすでに思ったんじゃないですかね。ぼくがサッカー選手だというのもあると思います。息子もサッカーオタクです(苦笑)。選手名鑑を見るのが好きですし、自分と一緒にサッカー番組を見ていますからね。チームに付いている地名から漢字も覚えるんです。川崎とか大阪とか名古屋とか。漢字を習う前というか、幼稚園のときにはすでに読めていました。
――お子さんのポジションはどこですか?
ゴリゴリのFWです。まだ小さいころから、ぼくが「点を取ったやつが一番偉い」と言い続けていたからだと思います。今思えば言い過ぎだったかなと(苦笑)。(佐藤)寿人や(大久保)嘉人に憧れています。2~3歳のころからそう言ってます。
――もともと、お子さんが生まれたらサッカーをやらせるという考えはあったんですか?
いや、全然なかったです。強制はさせるつもりはまったくなかったですし、本人が野球をやると言っていたら勧めていたと思います。ちょっと悲しいですけどね。サッカーをやったのはたまたまです。なにをするにしても、本人がやりたいことを後押ししてあげたいなとは思っていました。その中で、子どもたちがやりたいというものに対して親は(情報や場所を)提供してあげなければいけない。いま通っているスクールについても「こういうのがあるけど、どうする?」と本人に聞きました。
■子どもは「やれ」と言われたらやらない
――子どもの自主性に任せているということですか?
親になって8年が経ちますが、経験上、子どもは「やれ」と言われたことは積極的にやらない生きものです。とはいえ、親は「宿題をやれ」と言ってしまうんですよね(笑)。気持ちはすごくわかります。ぼくもすごく言いたくなりますが、「はやく終わらせたほうが楽だから、先にやりな」くらいに抑えています。基本的に強要はしていないです。抑えつけてやらせることはいいことではないと思うので。
――奥さんもそういった考えなのでしょうか?
はい。夫婦で密にコミュニケーションを取るようにしています。それもあって子育ての方針にズレはあまりないはずです(笑)。息子や娘の様子の変化に応じて、その都度話します。幸いにもJリーガーというのは職業柄、ほかのお父さんたちより、子どもを見ることができる時間が長い。だから気づくことができるし、妻も気づきます。子どもが寝たあとに、2人で話す時間もあります。
――お子さんのサッカーを見に行くことはありますか?
行けるときは行きますよ。日曜日に子どもの練習や試合を見に行くから、土日はほぼ潰れますね。もう、家の生活がサッカー中心に回っているというか(笑)。妹が若干かわいそうですけど、そこのバランス感は妻に任せています。
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