インタビュー
2017年4月 6日
「子どもの意思を尊重して」FC東京・廣末陸が自身の体験からサッカーキッズの親に望むこと
青森山田高校から今シーズンよりFC東京へ加入したGK・廣末陸選手が振り返るジュニア年代から高校年代にかけての両親との思い出やその教育方針について。前編では彼のサッカー生活における両親のスタンスや、青森山田高校へ進学した経緯までを語って頂きました。
後編である今回は越境進学にあたっての彼自身の考え、その中で自身を支えた両親のサポートについて語って頂いています。そして最後に、サッカーをするお子さんを持つご両親の方々へのメッセージも頂きました。(取材・文:竹中玲央奈、写真:新井賢一)
■越境進学に不安はなかった
――遠方でサッカーをする不安はありませんでしたか?
サッカーをしに行くわけなので、サッカーができるのであればどういった環境でも受け入れるというか。サッカーで自分の価値を出せれば、どこでもうまくやれるという自信はありました。サッカーだけではダメですが、自分にとって第一に重要なことがサッカーなので部活動で自分の立ち位置をどう作るか。そういうところを考えていたので、サッカーのためにわざわざ青森へ行くのだから、サッカーで結果を残せればいいかなと考えていましたし、自信もあったので迷わずにすぐ決めました。
――高校で親元を離れて生活することには不安がありそうですが。
サッカーが大事なので、不安は感じませんでした。寮生活ありきというよりは、サッカーが良いと思って青森山田に決めたので、その環境に自分が適応していければ良いなと常に考えていました。寮生活や、親元を離れるということを大きな決断という人も多いですけれど、僕はそう感じてはいませんでした。サッカーで成功できるためなら全然、何でもいいと思っていました。
――その信念を貫きつつ、3年間順調にやれたというところはあるのですか?
FC東京というチームにまた戻ってこられましたし、結果を出せたかなとは思います。
――青森山田に行く際、何か目標は立てていたのでしょうか。
東京に戻りたいとは思っていましたし、「FC東京を必ず倒す」ということも思っていました。高1の時にFC東京U-18はプレミアリーグに入っていなかったんですけれど、高2、高3の時には昇格して同じリーグだったので、「ぶっ潰してやる!」くらいの気持ちでずっとやっていました。それが一つのモチベーションの大半を占めていました。結果的にプレミアリーグでFC東京U-18に全勝して、そこに関しては一つ、結果が出たと思っています。僕たちはU-18に上がれなかった立場なので、見返したいという気持ちがすごく強かったです。その気持ちでずっと戦っていました。
――青森山田での生活の中で、両親からのサポートはありましたか?
おばあちゃんが料理を送ってくれたことはありました。あとは、親は常に試合を観に来てくれていました。青森や九州で試合をしていても、全部観に来てくれました。アンダー世代の代表に入ったときも、海外まで来てくれました。
それはやはり嬉しいですよね。親戚の人まで集まってくれて、たくさんの人が応援してくれたのは心強かったですし、ありがたかったです。
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