インタビュー
2017年7月 4日
「放任しすぎもダメ、子どもが楽しめる方向に導くのが親の役目」元浦和レッズ・鈴木啓太の子育て論
■指導者の言葉を自分なりに解釈して、プレーに落とし込むために「考える力」が大事
(上手くいかなかったときではなく「上手くいったとき」の振り返りが大切だと語ってくれました)
――過去のインタビューで「僕の周りには常に上手な選手がたくさんいた」と言っていますよね。その中で周りを活かして、自分が活きるにはどうすればいいかを考えたと。前回のインタビューでも言っていましたが、それも「考える力」のひとつではないですか?
「そうかもしれません。色々な指導者の方に言われたことを自分なりに解釈して、どう自分のプレーに落とし込むか。それはすごく考えていましたし、人生において何が必要なのかを学ばせてもらいました。いま振り返って感じるのが、意識の面に働きかけること、心に響く言葉って、ずっと忘れないんですよね。僕がサッカーを好きになったきっかけが、4歳のころ、近所にある清水第八クラブというチームの練習に行ったことでした。幼稚園生の自分に『サッカーって、なんて面白いんだ』と思わせてくれた練習があったんです。子どもが一人ひとり立って、そこにボールが転がってくるんですけど、コーチが言うところでボールを止めて、シュートをするという練習だったんですね」
――初めて周りの子と一緒にサッカーをする、最初の一歩ですね。
「コーチが言う場所でトラップして、ドリブルしてシュートをするんですけど、最初の練習で『頭!』って言われたんです。4歳の僕は『サッカーって、足でするスポーツでしょう』と思って、足でボールを止めたのですが、コーチから『お前の頭は足か!』と言われたんです。次に『お尻!』と言われて、お尻でボールを止めようとしたら、するっと抜けて尻もちをついてしまったんですね。そのときに『なんだこれは、面白いなぁ』と思ったんです。サッカーって、自由なスポーツなんだと。それが、子どもながら心に響いたんですよね。そう考えると、親としても、指導者としてもそうですが、心に響く言葉をかけることができるのかは、すごく大切なことだと思います」
――最後に、サッカーをする子どもたちにアドバイスをお願いします。
「良い選手のプレーをたくさん見て欲しいです。そして、自分のプレーがうまくいったときに、なぜうまくいったのかを考えて欲しい。誰しも、うまくいかなかったときは考えると思うんですよ。だけど、うまくいったときは意外とスルーしちゃうんです。なぜうまくいったのかがわかれば、次も同じようにうまくできるようになりますよね。周りを見ていたからうまくいったのか、ファーストタッチでしっかり止めることができたから、うまくいったのか。自分で自分のプレーを分析することで、サッカーがうまくなり、もっともっと楽しくなると思います」
2017年7月17日(月・祝) 17:00キックオフ・埼玉スタジアム
REDS LEGENDS(浦和レッズOB主体のチーム) vs BLUE FRIENDS(鈴木啓太氏と同じ時代に日の丸を背負った仲間たち主体のチーム)
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