インタビュー
2017年12月 1日
GKは表裏のある子の方が向いている!? 浦和レッズ・西川周作のゴールキーパー論
浦和レッズの西川周作選手は、サッカーを始めた時からGKだったわけではありませんでした。
前回はGKをやることになったキッカケや親御さんの接し方など小学生時代のお話を伺いましたが、後編ではJリーグ屈指の正確なキックを蹴るGKとして知られる西川選手に、キーパーの魅力やどんなポリシーを持ってプレーしているのかお聞きしました。
楽しむという気持ちを忘れずに、GKとしてのキャリアを歩んできた西川選手は、ある意識を持って、プレーしていると言います。それは、GKとはゲームメーカーであるということ。つまり、GKは試合の流れを決定づけられるポジションだということです。(取材・文 原山裕平)
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■GKはゲームメーカーだ
「GKは試合の勝敗を決められるポジションなんですよ。だから、僕はゲームメーカーという意識でプレーしています。ビルドアップや攻撃参加もそうですし、ピンチでビッグプレーが飛び出せば流れを一気に変えることができる。そういうことができるのは、GKだけなんじゃないでしょうか。それはプロになってからより実感しています。難しいシュートを止めた時とか、1対1のピンチを止めた後にチームが点を取って勝つとか、そういう試合ができた時は、GKをやっていて本当によかったと思います」
では、子どもたちがGKを目指すには、何が必要なのでしょうか。西川選手は、なにより基本プレーが大事だと言います。
「やっぱり基礎が一番大事ですね。基礎がなければビッグプレーはできないなと感じますし、その意識はプロになってからも変わりません。レッズのGK陣は、確実なことを確実にやるということをひとつのテーマとして取り組んでいます。小さい頃から、基礎をきちんとやり続けていくことが、プロになる近道なんじゃないかなと、プロになった今、改めて実感しています」
■楽しむこと、やり抜くことが上達のカギ
もうひとつ、西川選手は「楽しむこと」の重要性も訴えます。
「苦手なことをやるのも大事だけど、ひとつの得意なことを納得するまで徹底的にやり抜くこと。そうすれば楽しいという想いはさらに増していきますし、自分の武器につながっていく。もちろん、苦手なことも少しずつトライして克服していくべきでしょうけど、小さい頃はとにかく楽しんでプレーするのが一番大事なことだと思います」
西川選手がGKにのめり込んでいったもうひとつのきっかけは、小さい頃に観戦したJリーグの試合でした。そこで目にしたGKのかっこよさに、西川少年の心は大きく動かされたのです。
「実際に試合を見に行ったほうがいいですね。僕も小学の時に、横浜F・マリノスとアビスパ福岡の試合を見に行って、その時のGKが川口能活さんだったんです。プレーを間近に見てかっこいいなと思いましたし、プロになって能活さんと一緒にプレーするようになってからも、憧れの気持ちは消えないですから。だから、機会があればJリーグの試合を見に来てほしいですね。ヨーロッパだと、GKをやりたい子がたくさんいるみたいですね。それは良いGKがたくさんいるし、憧れの対象になる選手がたくさんいるからだと思います。僕も能活さんや楢﨑正剛さんに憧れていましたし、お手本にもしていました。僕自身も憧れられる存在になりたいと思っていますし、子どもたちのお手本になるような選手になりたいと思っています」