インタビュー

2018年2月26日

「家では勉強しなかった」1日をサッカーのために設計し、国立大入学を叶えた岩政大樹の時間管理術

■子供たちには"好きなこと"を

現在、岩政さんは東京大学ア式蹴球部(東大サッカー部)のコーチとしても活躍中です。新たな一歩を踏み出したわけですが、指導の中で"子どもたちにどう接すべきか"という点についてご自身なりに答えを出しているようです。

接する相手の心理、考えていることに入っていくことですね。その場で起こった事象で話すのではなくて、"なぜその選択をしたか""なぜそういうプレーになってしまうか"を想像します。表情や仕草まで見ないと分からないと思うんですけど、根っこの部分まで指導者は処方しないと、子どもたちには響いていかないし、気付かないと思います。ただ、論理的に接するほうが良い時もあれば、感情的に言わないといけない時もあると思います」

"考えさせる"重要性があるのは間違いありません。ただその一方で、"考えない"ことを考えの中に入れることも同時に必要だとも語ります。サッカーの試合で言えば、考えずにプレーをし続けたほうが良い局面と、考えた上で判断を下すべき場面。この両方が必要だという認識を指導者は持つこと、「その上で、そのときに必要なことを教えてあげる」ことが大事とのことです。

そして、根本的な子どもの接し方としては、「本人がやりたい、好きだと思うことをやらせてあげること」が何よりも重要だと語ります。当たり前ですが、好きなことであれば本人のモチベーションも高くなるし、やっている過程で苦労を経験しても、壁を乗り越えようとします。

「周りに勝てない子がいれば、それって『そいつより上手くなりたい』というモチベーションになるじゃないですか。でも好きなことじゃないとそう思わないですからね。難しいことを考えずに、そういう機会をまず与えてあげる。そうすれば子供たちがモチベーションを持って勝手に考えるので、まず大前提としてあるかなと思います」

好きなことに取り組んでいる中でも、スポーツの中では必ず、悔しさを覚える場面に遭遇します。そして、子どもたちはその悔しさを晴らすためにはどうすればいいのか、考えを巡らすはずです。ただ、それでも乗り越えるための方法を考えられない子どもいることでしょう。そのときこそ両親の出番です。


「子どもたちが『今日はこういうことがあった』『こういうことが上手くいかない』と言った時に、『どうして上手くいかなかったと思う?』というふうに掘り下げてあげる作業が大事だと思います。原因を探らないと、現象を見ただけでは答えようがないですから。大人たちは、『何が起こったのか』ということばかりを見ている人が多い印象があります。その事象に至る原因を、自然に突き止めるようになるような声かけというか。本人が考えていくような話し方が大事でしょうね」

子どもたちが興味関心を持ったこと、やりたいと思ったことに対して親がストップをかけてしまうと、せっかくの" 考える力"を手にする機会を逃してしまうことになるかもしれません。

子どもたちがやりたいと思うことを、薦め、応援する。親が子供に対して与えるべきは、これに尽きるのではないでしょうか。

【最新情報随時UP】
岩政大樹さんがプレイングコーチとして所属する
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