インタビュー
2018年4月16日
「世界の壁を体感する」ことでサッカーがもっと上手くなる /元FC東京・石川直宏がコーチを務めるU-16世代の夢の祭典
欧州のクラブが頂点を目指して戦う「UEFA チャンピオンズリーグ」通称CL。世界のサッカー少年たちの憧れの大会です。アディダスが世界に挑戦したい中高生をサポートしたいという想いからスタートさせたU-16世代の世界大会 "Adidas UEFA Young Champions" はCLの大会開催に併せて、決勝開催国の代表チームと他国の選抜チームによる国際大会です。
今年もCL決勝前日に、ウクライナのキエフにて開催される本大会に出場する「日本代表」の選抜大会がしんよこフットボールパーク(神奈川県)にて開催され、本大会に出場するメンバーが決定しました。
■選抜チームは世界大会へ出場! CL決勝観戦ツアーなどの賞品も
さる4月4日に開催された日本代表選抜大会は、代表チームを選考するための国内唯一の大会です。今年は全18チームが出場し、世界への切符をかけて熱戦が繰り広げられました。
その結果優勝を手にしたのは「横浜栄FC」、準優勝は「田口フットボールアカデミーJY」となりました。そしてアディダス本社(ドイツ)への招待やCL決勝観戦などのプライズが用意された世界ツアーへの切符を手に入れたのは以下の6名。
選考にはadidas契約アドバイザーで、5月25日に開催される本大会ではコーチを務める元FC東京の石川直宏さんがあたりました。試合前には「クリエイティビティはもちろん闘志あふれる、ネガティブからポジティブに変えられる雰囲気を持っている選手を選考したい」と今回の選考基準を語り、「クリエイティビティがあるプレー」についてはゴールに向かう姿勢と攻守の切り替えの意識を併せ持つこと、技術だけでなく気持ちの部分でも想像力を超えてほしいとセレクションに臨む選手たちへ檄を飛ばした石川さんですが、いざ大会が始まると選考は難航したようで......。
大会後、記者に選手選考の感想を聞かれると開口一番「みんなハイレベルで選ぶのが難しかった!」と選手たちのプレーを絶賛していました。
大会中はメモを取りながら食い入るように試合に見入っていた石川さん。選考に関しては「世界で戦うには一人ひとりの技術はもちろん、選手の組み合わせでお互いを活かし合える相乗効果を生めるかどうかを基準に選びました」とポリバレントなスキルも含めたセレクションだったと語りました。
選ばれた選手たちは所属チームが異なるので、本選までに何度も集まって練習することは難しいため、周りの状況を判断して動けること、お互いにカバーし合えるなど、サッカーの理解力の高さが重要となるのです。
■世界を体感し、チャレンジを繰り返すことが差を埋める方法
選手を引退し、初めて「指導者」として挑む世界大会。昨シーズンまで現役選手だった石川さんは「僕自身、指導者として世界のレベルを知っているわけではないので......」と前置きしながらも、「本選では、とにかく全力を出し切って帰ってきたいと思います」と意気込みを語ってくれました。
選手たちにも「今持っている力を出し切って、個人としてもチームとしても『やりきった』と感じてほしい。この年代で世界の大会に出場できることは素晴らしいことですし、世界の壁を感じてほしいと思っている」と言います。
その理由は、「相手の強さを間近で見て体感することで、悔しさだったり、成長につながるモチベーションが得られるから。やっぱり世界のレベルを直接体験することは大きい。自分でレベル差を身をもって知って、どうしたら戦えるか考え、もっと上手くなるために挑戦をし続けることが世界との差を埋めることにつながると思う」からだそう。
やはり、頭で何となくわかっているだけの状態よりも、実際にぶつかってみて自分のプレーや状況判断など、通用するものと通用しないものを知り、努力を重ねることが上手くなる近道なのです。