インタビュー
2018年6月26日
「サッカーを学んだ記憶はない」広島ユースで槙野智章が恩師・森山佳郎監督に学んだ選手として大事なこと
■前向きな発言、姿勢を崩さない理由
サンフレッチェ広島で育ち、海外移籍も経験。現在所属する浦和レッズではアジア制覇も実現しました。一方で、広島時代にはJ2降格を味わい、ドイツでは試合に出られない日々も過ごしました。浦和でも結果が出ない時期に、多くの批判を受けたこともあったと言います。しかし、槙野選手は決して心が折れることなく、常に己を信じて、一歩ずつ着実に、前に進んでいきました。その前向きなメンタリティはどのように育まれたのでしょうか。
「僕だって、心が折れる時もありますし、落ち込むこともありますよ(笑)。ただ前向きに考えること、前向きな発言をすることは意識しています。前向きな姿勢を保てば、自分だけでなく、周りをそういう空気に変えられるし、そういう人たちが集まってくる。そうすれば必ずいい方向に向かっていくはずですから。一方で、考えなくてはいけないし、悩まないと成長しないとも思っています。子どものころから物事について色々考える習慣が身についているんです。常に明るく振る舞っているように見えますけど、僕だって考えているんですよ(笑)」
そんなスタンスを崩さない槙野選手は、日本代表の現状をどのように捉えているのでしょうか。ハリルホジッチ監督から西野朗監督に代わり、果たしてワールドカップでどこまで行けるのか。それでもやはり、槙野選手は力強く前を向きます。
「2010年の南アフリカの時も大丈夫かと言われていましたけど、結果的に決勝トーナメントまで進みましたし、僕が2007年のU-20ワールドカップに出た時も、まったく期待されていませんでしたが、グループリーグを突破できました。今回も不安視されていますけど、逆にそういう状況のほうが良い結果を出せるかもしれません。皆さんの想いを良い意味で裏切りたいですし、サプライズを起こしたい。今はそういうふうに考えています」
開幕前は不安視されていた日本代表ですが、4年前に惨敗したコロンビアに勝利を挙げ、フィジカルとスピードが持ち味のセネガルには2度追いつき引き分けで勝ち点1をもぎ取りました。グループ首位に立っているとはいえ、3戦目を控えまだまだ油断はできません。
それでも、この先どこまで日本代表が躍進を遂げられるのかわかりませんが前向きで強いメンタルを備えた槙野選手なら、チームの雰囲気づくりやプレー以外での貢献も含め代表選手として子どもたちの手本になる姿を見せてくれるはずです。