インタビュー

2021年6月28日

「サッカーを盛り上げるお手伝いがしたい」。なでしこリーグ・スフィーダ世田谷の選手を社員として迎え入れてサポートするドラッグストア『トモズ』

サッカーを支える企業にスポットを当て、想いを聞く特別企画。今回はなでしこリーグ1部所属、スフィーダ世田谷をスポンサードする『株式会社トモズ』です。東京、神奈川、埼玉を中心に、212店舗を展開するドラッグストア『トモズ』の德廣英之代表取締役社長にスフィーダ世田谷、そしてサッカーへの想いをうかがいました。


トモズに社員として所属、スフィーダ世田谷でプレーする根本選手

――まず、スフィーダ世田谷をスポンサードすることになったきっかけを教えてください。

グループ会社のサミットとジェイコムがスフィーダのスポンサーをしていまして、その縁で我々もさせていただくことになりました。トモズもサミットやジェイコム同様、地域に根差した企業活動をしています。トモズの1号店は世田谷区の池尻大橋にあり、できたばかりの苦しい時期に、地域のみなさまに支えていただきましたので、恩返しができればと思っています。

――トモズの店舗で、スフィーダの選手を雇用しているとうかがいました。どのような業務を担当しているのでしょうか?

いまは4名の選手に店舗で働いてもらっています。週4日、1日5時間勤務です。品出しやレジなど、他の社員やアルバイトのみなさんと一緒に働いてもらっていて、登録販売者の資格を取得した選手もいます。座りっぱなしの事務作業とは違い、店舗で品出しや陳列などもするので、体を動かす意味でもいいという声を聞いています。


金子選手の店舗での勤務風景

――普段、店舗で働いている選手が、週末はユニフォームを来てプレーしているのを見ると、応援にも熱が入りますね。

そうなんです。試合開始2時間前にスタジアムに行って、応援の横断幕を張るなどして、みんなで応援しています。彼女たちのプレーする姿を見て、お店の他の従業員のモチベーションも上がりますし、プロフェッショナルとして取り組む姿勢から、学ぶこともたくさんあります。それもあって、自然発生的にみんなで応援しようという雰囲気になっています。

――試合の協賛は、どのような形でしているのでしょうか?

年に2回『トモズ絆マッチ』として、公式戦を協賛させていただいています。トモズには商品を仕入れる商品部を始め、販売促進やマーケティング、総務や広報など、様々な部署があります。スポンサーマッチでは、それぞれの部署が協力して準備をして、来場するお客様にプレゼントを渡したりと、社をあげて取り組んでいます。スフィーダの応援に来るサポーターのみなさんやトモズをご利用いただいているお客様はもちろんのこと、サッカーを通じて、お取引先様ともコミュニケーションがとれるのが、スポンサーマッチの意義のひとつだと感じています。

また、そのほかにも、弊社では年に4回、TOMOKOというフリーペーパーを発行しており、その中の「がんばれ!スフィーダ世田谷FC」というコーナーで、チームに関する情報発信も行なっています。


トモズ絆マッチの際のスフィーダ世田谷の選手の様子

――サッカーを中心に、様々な人と関わることができるのは、素晴らしいことですね。

そう思います。ただスポンサーとしてお金を出して、試合の時間に行って見て帰るのではなく、みんなで準備して、横断幕を飾って、勝てば喜んで、負けたら一緒にくやしがって、片付けをして帰るということをしています。そうすると試合の結果はどうあれ、社員の間に一体感が出るんです。それもスポーツをスポンサードする醍醐味だと思います。

――社長の話しぶりから、サッカーが好きな様子が伝わってきます。

私はスポーツ全般が好きなのですが、サッカーを観るのも好きで、子供の頃は1982年のスペインW杯を見て、ロッシやソクラテスに憧れました。いまでもスフィーダのホームゲームはもちろんのこと、コロナ前はアウェイゲームも参戦していました。彼女たちのプレーから元気をもらいますし、スタジアムでサポーターのみなさんと直に触れ合うことができるので、スポンサーをしてよかったと思いますし、私自身、楽しんでいます。

――スポンサードすることによって得られるメリット、ベネフィットはどのようなものだと感じていますか?

スフィーダを応援するという共通の想いが、店舗のチームワーク醸成につながっていると感じています。店長をはじめ、役職などは関係なく、お休みの日に応援に来てくれて、それが選手の励みにもなっています。そこはメリット、ベネフィットというよりも、我々が感謝している部分です。地域のみなさまとの関わりでは、どうせ同じサービスだったら、スフィーダを応援してくれる企業を使います、買い物をしますと言ってもらうこともあります。

――今後、このようにスポンサードしていきたいというイメージがありましたら教えてください。

女子サッカー選手が、プレーヤーとして長く継続できるように、女子サッカーを盛り上げるお手伝いができたらと思っています。引退後もトモズの社員として働いてもらいたいと思っていますし、サッカーを辞めたあとに家庭を持ったり、お子さんを持つ方もいるでしょう。そのときに娘や孫がまたスフィーダに入って、トモズで働いてとなったら夢がありますよね。私は一般社団法人 日本チェーンドラッグストア協会のSDGs委員長もしています。子どもたちの教育やジェンダー平等など、スフィーダの活動と近い部分もあるので、今後とも、一緒に取り組んでいければと思っています。

――最後に、スフィーダのみなさんにメッセージをお願いします。

選手の皆さんには、なによりも怪我なく頑張ってほしいです。スフィーダには、イタリア語で『挑戦』という意味があります。我々トモズも、挑戦し続ける企業でありたいです。彼女たちは常に、サッカー選手として挑戦しています。みなさんの頑張りを間近で見させていただく中で、我々は謙虚に学びながら、業務に生かしていければと思っています。

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