サッカーを支える企業にスポットを当て、想いを聞く企画。今回は、株式会社クレディセゾンです。クレディセゾンは20年以上、サッカー日本代表のサポーティングカンパニーを務めるなど、サッカー界の発展に寄与し続けています。

同社は、どのような想いでスポーツにたずさわっているのでしょうか？ ブランディング戦略部の川口裕大さんにうかがいました。（取材・文　鈴木智之）

――クレディセゾンさんは、2001年よりサポーティングカンパニーとして、サッカー日本代表を支援しています。日本代表をサポートして20年以上が経ちますが、どのような想いで取り組んでいるのかを教えてください。

弊社がサポーティングカンパニーになった2001年は、1998年のフランス大会を経て、日韓ワールドカップを翌年に控えた時期でした。98年に日本が初めてワールドカップに出場し、その後、若い選手が海外に活躍の場を移し始めた時期でもあります。

彼らのような「日本から世界に羽ばたいて、チャレンジする若者を応援したい」という想いがあり、サッカー日本代表を通じて「日本を元気にするお手伝いをしたい」というメッセージを込めて、サポートを開始しました。

――サッカー日本代表をサポートするメリット、ベネフィットについては、どのようにお感じでしょうか？

スポーツをサポートすることによる企業イメージの向上もありますが、試合会場にLED看板を露出できることも大きいと感じています。サッカーのように、積極的に観戦している方々の多い場所で、企業のロゴや商品を見ていただける、ブランド効果は計り知れないと思っています。

ほかには、日本代表を頂点とする選手に加えて、コーチの方やサッカーに関わるスタッフ、ファン・サポーターなど、たくさんの方々にアプローチできることもメリットだと思っています。弊社のクレジットカードを通じて、様々な角度からアプローチをして、サッカーファンを増やすところに、少しでも貢献できればと思っています。

――サポーティングカンパニーとして、どのような活動をしているのでしょうか？

2011年にサッカー女子日本代表"なでしこジャパン"が世界一になったときに、選手全員に、報奨金50万円とセゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス(R)・カードを無料進呈させていただきました。

また、日本代表をサポートする想いを形にするために、セゾンカードを通じて、JFA（日本サッカー協会）に、強化資金を寄付しています。弊社には『JAPANカードセゾン』という、JFAと提携して作ったクレジットカードがあるのですが、JAPANカードセゾン会員の皆様がご利用いただいたカード金額の0.1%分を、当社が代表して、強化資金として日本サッカー協会に毎年寄付させていただいています。

コアなサッカーファンの中には、このカードを使い続けてくださっている方も多いので、微力ではありますが、日本サッカーの発展に貢献できているのかなと思います。

――サッカー日本代表をモチーフにした、ラジオCMも評判ですね。

ありがとうございます。私が担当しているのですが、感想をいただくことも多いです。なかでも「サッカーをしていて、プロにはなれなかったけど、いまは息子に夢を託すとともに、日本代表を応援している」というストーリーのCMは、昔サッカーをしていて、息子さんにサッカーをさせている人から「刺さるね」とよく言われます（笑）。

――日本代表戦での「ナショナルフラッグベアラー」や「エスコートキッズ」「ハイタッチキッズ」「ウェルカムキッズ」など、子どもたちの活動も、積極的に行っている印象があります。

キッズイベントに関しては「将来の日本を背負って立つ人材を応援したい」という気持ちで実施しています。商品の露出や企業の利益だけを考えると、正直、当社の商品は子ども向けのものではないので、直接的なメリットには繋がりにくいのですが、子どもの頃から当社に触れていただく機会を作ることで、将来クレジットカードを持てる年齢になったときに、当社の商品を親しみを持って選んでもらえるのではないかと思っています。

――イベントに参加した子どもたちや保護者からは、どのような声があがっていますか？

当社の会員様から募集をして、抽選で当たった方が参加できるのですが、当選を電話でお伝えすると「やったーー！！」「まさか当たるとは思わなかった」などの感想がダイレクトに届きます。参加した方々からは「一生の想い出になった」「テレビで見ている選手が目の前にいて緊張した」「すごく楽しかった」などの感想をいただいています。

――今後、キッズイベントを含む、子どもたちのサッカーに携わるビジョンがありましたら教えてください。

JFAと協力して、サッカー教室を開催する予定です。当社の会員様から募集して、サッカー未経験や初心者の子たちに、ボールと触れ合う場を作っていけたらと思っています。また、当社は金融教育にも力を入れているので、サッカーと金融を合わせた教育ができれば、子どもたちが大人になる上での手助けができるのではないかと思っています。