インタビュー
2023年5月24日
「子どもたちの健全な育成や健康を応援したい」フジパンカップを40年に渡って協賛する、フジパン株式会社の想い
サッカーを支える企業にスポットを当て、想いを聞く企画。今回はフジパン株式会社です。フジパン株式会社はサッカーがマイナースポーツだった昭和58年(1983年)より、ジュニアのサッカー大会『フジパンカップ』を協賛し、2018年からは全国9つの地域で開催しています。
ジュニアサッカーを支援するフジパン株式会社は、どのような想いでサッカーに携わっているのでしょうか? マーケティング部の増田さんと谷平さんに話をうかがいました。(取材・文 鈴木智之)
――最初に、フジパン株式会社の事業内容について、お聞かせください。
弊社は総合的なパンメーカーとして、パンを製造してスーパーや店舗さんに卸売を行っている会社です。季節の食べ物として、桜餅や柏餅といった和菓子やクリスマスケーキを製造している工場もあります。
――ジュニアサッカーでは『フジパンカップ』のスポンサーとして有名ですが、どのような経緯で、サッカーの大会を協賛することになったのでしょうか?
フジパンカップという名前で最初に協賛したのは、昭和58年になります。創業家の二代目社長である舟橋正輝氏は、フジパンに入社する前は教員をしておりました。そのような経緯から、子どもたちの健全な育成や健康を応援したいという考えがあったと聞いております。
――およそ40年前、サッカーはマイナースポーツでした。なぜサッカーを支援しようとお考えになったのでしょうか?
当時は野球が人気の中で、「他のスポーツで頑張っている少年少女たちにも、スポットライトが当たる場を提供したい」という考えがあったようです。フジパンカップのスタートは東海大会でした。元々、フジパン創業の地である名古屋に、中京テレビさんが主催していた『中京テレビ杯』という大会がありまして、その後フジパンが協賛し、岐阜県と三重県のチームも参加し、東海3県の大会として『フジパンカップ』が始まりました。
第1回東海大会の様子
――フジパンカップは、全国9地区で開催される、規模の大きな大会ですが、長きに渡って支援していることを振り返り、どのようにお感じでしょうか?
フジパンカップは東海大会からスタートしたのですが、弊社は全国に工場や事業所全国の拠点大会(地域1位を決める大会)があればいいのにとの従業員意見などを受け、現在全国9大会実施となりました。
「フジパンカップ」は、フジパングループ本社株式会社にて応援させていただいております。大きく4つの部門があり、ホールセール部門、リテール部門、ロジスティクス部門、デリカテッセン部門各部門の協力にて展開させていただいております。
過去には「広告宣伝費を使って、費用対効果はあるのか」という意見もありましたが、サッカーを通じて、仲間を思いやる気持ち、スポーツが出来る感謝の気持ち(家族・監督・運営に携わる方など)を大切にしてほしいと考え、また食を通じた支援も大切であると考え、現在も継続し展開させていただいております。
――ひとつの企業が40年に渡って、ジュニアサッカーの大会を協賛するのは、非常に珍しいことだと思います。
これだけ長くやっていますと、フジパンカップの参加者に後のJリーガーや日本代表選手もたくさんいます。フジパンカップに参加したJリーガーにメッセージをいただいたり、大会に参加してもらうといったことができるのも、継続して取り組んできたからだと思います。
第1回東海大会の様子
――フジパンカップを開催することで、事業への広告効果はどのように計っているのでしょうか?
本業に対しての効果や還元は、それほど考えてはいません。テレビ放送時は弊社のCMが大半ですが、フジパンカップに協賛することによって、パンの売り上げアップなどに結びつけるといった考え方はしていないのが現状です。
フジパンカップを通じて、弊社に対する愛着や応援したいという気持ちが、大会に参加する選手やご家族のみなさんに芽生えることがあれば、すごくありがたいことだなと思います。ですので、宣伝効果というよりは、CSRの一環として取り組んでいるところが大きいです。
――サカイクはサッカーをするお子さんや保護者に向けたメディアなのですが、今後、子どもたちのサッカーに携わるビジョンがありましたら教えてください?
フジパンカップは、2018年に全国9大会が揃いましたので、これを継続させることを大切にしていきたいです。
地域によって、フジパンカップに対するモチベーションも様々で、九州大会は年度の終わり、3月に開催されています。これは小学校卒業前、最後の大会ということで、みなさんの思い出の大会になっているようです。
関西大会も3月開催なのですが、こちらは新6年生の大会です。このように、地域及び展開時期により各地区にて様々な取り組みがございます。現在実施している大会を継続する事も大切ですが、各エリアのサッカー協会様、各テレビ局、ご尽力いただいております。
関係者の皆様とフジパンが協力し、参加するチームと選手が、地区地域NO.1を目指して参加できる大会を提供出来ればと思います。また、選手は日頃対戦できないチームの方のチームプレーであり個人技量を学び、選手としてのスキルアップと、大会を通じて人間関係の構築の場としていただければ幸いです。