インタビュー
2023年7月 7日
「子どものころから、自分のプレーを自問自答するタイプだった」という柴崎岳選手の考える力とは
2016年にスペインに渡り、以後スペインリーグで活躍を続けている柴崎岳選手。試合の流れや状況に応じて繰り出される精度の高いパスが特徴で、キックの質は誰よりも高いことは皆さん周知のとおり。柴崎選手のパスやキックのセンスは、日頃から「考える」ことが元になっているようです。
今回、スパイク、ウェアの契約メーカー「アンブロ」を展開するデサント社にて1日社員として活動した柴崎選手にインタビューする機会をいただいたので「考える力」や「チャレンジ」について聞いてみました。
(取材・文:前田陽子)
■一つ一つのプレーについて、どうだったのか、どう思ったのかを常に考えていた
「サッカーで自分がしたプレーに対して、今のはどうだったか、今どう思ったのかを考えることが多かったです」
と語る柴崎選手。
この習慣は子ども時代からだっそうで、自分のプレーに対して、どう思ったのか、どうしてうまくいかなかったのかをよく考えていたとのこと。
負けず嫌いなところもあり、うまくできなかったプレーに対して、どうしたら次が良くなるのか、成功するようになるのかということを考えることはクセのようだったそうです。考えることでプレーを反復でき、解決策のアイデアが生まれ、そのアイデアを実践することができるのは、サッカーだけでなく日々の生活の中でも大切なことです。
■自分がどう思っているか他人に伝える力も大事
「考える力というのは、本人がそもそも持っているものだと思います。性格的なところもありますが、自分がどう思っているのかを素直に考える力はあった方がいい。何か起きたことに対してどう思うのかを子ども自身がまだできないなら、親御さんから投げかけたり、促したりすることが大事かなと思います」
子どもが興味のあることに対して「これどう思う?」「これどう感じる?」という問いかけは考えるきっかけになります。そうすることで、子ども自身が考え、意見を持つようになります。個人差や経験値の差もありますし、小さなときから簡単にできる子と、ある程度大きくなってもできない子はいますが、多くの場合低学年ではまだまだ難しいので、親が投げかけをすることで促していきましょう。
さらに「自分がどう思っているかを他人に伝える力も大事」とのこと。考えて生まれた自分の意見をきちんと周囲の人に伝えることで、チームワークやコミュニケーション力もアップしていきます。
■チャレンジしなければ何も変われない、目指す自分にもなれない
チャレンジする・しないに関わらず、時間の経過とともに物事は変わっていきます。だからこそ、自分の理想や目指すところがあるなら、チャレンジしなければ成し遂げることはできません。
「僕はプロサッカー選手になりたかったので、そのためにチャレンジし続けました。そう思ってチャレンジしていなければ、プロサッカー選手にはなれていなかったと思います。自分のなりたいものに向かってチャレンジはしなければ何も変わりません。自分のこうなりたいというものが明確にあるのに、何もチャレンジしないならそれにはなれないということです」
子どものころからの目標だった、プロサッカー選手。その目標に向かうプロセスのすべてがチャレンジで、その結果、高校卒業と同時に鹿島アントラーズに入団、プロサッカー選手としてのキャリアをスタートさせました。プロになってからも、言葉も生活習慣も違う海外リーグに挑戦するなど、自分のプレーについて自問自答することは続いています。